『新空港占拠』山猫の正体の鍵を握るのはジェシーが持つデータか 大和が語った駿河の正体

『新空港占拠』ジェシーが持ち出したデータ

 黒幕である“山猫”の正体を明らかにするーー龍=悠月(高橋メアリージュン)が明かす、獣たちの空港占拠の目的。残り4時間以内に武蔵(櫻井翔)がその答えに辿り着けなければ、姉の二葉(奥貫薫)たちがいるVIPラウンジが爆破されてしまう。しかし山猫への重要な手掛かりを握る天童(黒沢あすか)の協力を得るための上層部の許可が下りない。そこで武蔵は、自らの判断で天童を連れて“ある場所”へと向かうのである。

 これまで劇中で描かれてきたさまざまな罪や嘘、そうした諸悪の根源にいる山猫の正体へと迫るとなれば、それはもうドラマの佳境に突入したといっても過言ではない。しかし2月24日放送の『新空港占拠』(日本テレビ系)はまだ第7話。さすがにそこに至るにはまだタイミングが早い。案の定、武蔵は天童の協力でたどり着いたビルの地下室で、山猫からの指示仲介役を担っていた北見(手塚とおる)こそが山猫本人であるというひとつのアンサーへとたどり着く。しかし、終盤に描かれる占拠1カ月前の獣たちのミーティングの様子では、とうに彼らが山猫=北見という答えにたどり着いていたことが確認できるのだ。

 となれば、この山猫の正体をめぐってまだもう一捻り用意されているということがすぐに予測できる。そのカギとなるのは、前回裕子(比嘉愛未)をアジトへ連れて行き、自分も獣の一員であることを明かした鼠=大河(ジェシー)が持っている“データ”。それを開いた大河は、「北見は山猫じゃない」とつぶやく。おそらくそこに、本物の山猫の正体がわかるなにかがあるのだろう。そのデータを執拗にねらっていた綾部(吉田健悟)の素性も、北見の養子であり山猫の信奉者であることがわかる。知られてはいけないデータを大河が持ち出したから追いかけているとなれば、他の獣たちはまだ山猫=北見だと信じ込んでいるのかもしれない。そうなると現時点で本物を知っているのは、大河と北見、そして山猫本人ということになるわけだ。

 またこのデータのなかにはさらに興味深いことが記録されていた。「Mプロジェクト」。まるで前作『大病院占拠』(日本テレビ系)における「P2計画」を彷彿とさせるものであり、「2014年に地下500メートルで発見。2018年に採取に成功。2030年以降に実用化を目指す」に、「日本が抱えている環境問題及び資源問題に大きな躍進を遂げる可能性がある」という記述が確認できる。武蔵との逃亡中に天童が強い口調で語る「あそこはただの空港じゃない」の言葉の意味がここにあるのだろう。おそらく地下資源かなにか、第1話で空港内に貼られていた“クリーンエネルギー推進委員会”との関連も深そうだ。

 他にも今回、大和(菊池風磨)のもとを訪ねた本庄(瀧内公美)は、まだ見ぬ龍の正体について駿河(宮本茉由)と双子であるという情報を得る。また、大河が以前裕子に言った、彼の愛する人を裕子が殺したという話も、ラストの武蔵に対する要求から“1年前の出来事”であるとわかる。劇中で1年前といえば、界星堂病院の占拠事件か、あるいは第2話で描かれた白河(俵木藤汰)の秘書・新見百花の自殺の一件のどちらか。大河が獣に加わったとなれば後者の可能性(すなわち百花を発見した弟という線)が高い。少なくともそんな彼が、“裁き”の方向性の違いで獣たちから抜けているのだとすれば、最も危険で好戦的な人物に裕子は捕まってしまったということでもある。

■放送情報
『新空港占拠』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:櫻井翔、比嘉愛未、白石聖、ジェシー(SixTONES)、片桐仁、ぐんぴぃ(春とヒコーキ)、瀧内公美、ソニン、手塚とおる、奥貫薫
脚本:福田哲平
演出:大谷太郎、茂山佳則、伊藤彰記
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:尾上貴洋
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dbs2/
公式X(旧Twitter):@dbs_ntv
公式Instagram:@daibyoinsenkyo_ntv
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