『ブギウギ』小夜の“愛され下手”な一面を好演 富田望生は常に“驚き”をもたらす俳優だ
そして最近もっとも話題になった役は、『だが、情熱はある』(日本テレビ系)で演じた南海キャンディーズ・“しずちゃん”こと山崎静代役だろう。しずちゃんの独特な間合いや本心が読めないポーカーフェイスぶり、一定のテンションが、前のめりに矢継ぎ早に話す相方・山里亮太(森本慎太郎/SixTONES)との対比を際立たせていた。山ちゃんのペースにも乱されずにボソッと発するしずちゃんの一言のシュールさなど、しずちゃんの特徴はもちろんのことコンビとしてのグルーヴ感をそのまま体現しており、驚愕させられた。
『だが、情熱はある』富田望生がハマり役過ぎる しずちゃんをリアルに再現できた理由
オードリーの若林正恭と南海キャンディーズの山里亮太の人生をドラマ化した日本テレビ系日曜ドラマ『だが、情熱はある』で、しずちゃん役…
『ブギウギ』での小夜の目まぐるしく変わる感情は忙しい。米兵のサム(ジャック・ケネディ)に捨てられたと人目も憚らずおいおい泣き出したかと思いきや、それは彼女の早とちりで結婚の申し出を受けると信じられないという表情で急に黙り込んでしまう。家族に捨てられた過去を持つ小夜が片やサムに求婚され、スズ子からはアメリカになんて行かずにまた一緒に楽しくやろうと提案を受け、自分を求めてくれる人からの気持ちの渋滞に本人が誰より混乱してしまう。あれだけ愛され力の高い小夜の“愛され下手”な一面も、そのちぐはぐさゆえの人間臭さも富田は丁寧に見せてくれた。
小夜は一体どんな道を選ぶのか。彼女が踏み出す一歩を応援しながら見守りたい。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie