小林千晃、石見舞菜香、種﨑敦美ら 2023年のアニメ界を牽引した声優たち
また、2023年はすでに業界内で長くキャリアを築いてきた声優たちにとってもさらに飛躍の年だったのではないか。その点で言えば、種﨑敦美の更なる活躍は特に目覚ましく、2023年も『SPY×FAMILY』でのアーニャ役をはじめ、『葬送のフリーレン』のフリーレン役や『薬屋のひとりごと』の玉葉妃役など、幅広いキャラクターを独自の魅力で演じ分けてきた。
さらに、アニメだけでなく、今年だけで劇場公開の映画に4本、ゲームに15本以上の声の出演をしており、その多忙すぎるほどの活躍には目を見張るものがあった。種﨑と同じ声優である宮崎遊との結婚が、声優業界で大きな話題となったのも記憶に新しい。
また、近年、実写作品の俳優や歌手としてマルチタレントに近い形で活躍をする声優が増えてきている。宮野真守や津田健次郎然り、アニメーションの枠を越えて広く活躍する声優に注目が集まる中で、今年特に印象に残ったのは、木村昴の多岐にわたる活躍である。多くの人にジャイアン役で知られる木村。NHK大河ドラマ『どうする家康』では、徳川家康の家臣・渡辺守綱役を熱演し、ドラマファンからも高い評価を受けた。
『どうする家康』木村昴に『VIVANT』花江夏樹も ドラマで声優の需要が高まっている背景
声優がドラマに出演する機会が以前にも増して当たり前になっているように感じる。昨今の出演例を挙げながら、起用が続く理由を考察したい…
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』では冒頭CMシーンでのマリオブラザーズのラップを担当し、その才能の幅広さを見せつけた。さらには恋愛リアリティショー『LOVE CATCHER Japan』のスタジオMCとしても活躍しており、多様なジャンルで存在感を示している。
アニメ界においても『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』ではŹOOĻのボーカル・狗丸トウマ役、『金の国 水の国』ではジャウハラ役を担当し、その多才ぶりを存分に発揮した。ドラマ、映画、リアリティショーといった多岐に渡るジャンルでの成功は、今後のエンターテインメント業界における彼のさらなる飛躍を予感させる。
すでに1月からの冬クールアニメの放送が迫っているが、5人の声優は2024年にどんな作品のクレジットに名を刻むことになるのだろうか。さらに、5人の共演やアニメ以外の方面での活躍も期待したいところ。2023年のアニメ界を牽引した声優たちの“これから”に、多くのファンが目を向けていることだろう。