『ファースト・カウ』日本版予告&ビジュアル2種類公開 本国トレーラー&新場面写真も

『ファースト・カウ』日本版予告&ビジュアル

 12月22日に全国公開されるケリー・ライカート監督作『ファースト・カウ』の日本版ビジュアルと日本版予告が公開された。

 アメリカ本国ではA24が配給を行った本作は、ジョナサン・レイモンドの小説『The Half-Life』を、『ウェンディ&ルーシー』『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』などのライカート監督が映画化したもの。物語の舞台は、西部開拓時代のオレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと中国人移民のキング・ルーは、ドーナツ作りを通して少しずつ友情を育んでいく

 キャストには、『オーヴァーロード』のジョン・マガロ、『プレッシャー・ポイント』のオリオン・リー、『ハンガー・ゲーム』シリーズのトビー・ジョーンズらが名を連ねている。

 日本版ビジュアルは2種類で、物語の鍵を握る“牛”が印象的なデザインに。手がけたのは、『君の名前で僕を読んで』『mid90s ミッドナインティーズ』『わたしは最悪。』など、これまで数々の作品のビジュアルを担当してきた、デザイナーの石井勇一。一つ目は、本国ビジュアルの世界を踏襲したもの。牛が船で運ばれている様子が切り取られ、静かにこちらを覗く姿が、「おいしい話にご用心。」のコピーとともに描かれている。もう一つは、日本オリジナルとして作成されたもので、牛がまさに未開の地に降り立つ瞬間が切り取られている。

 劇中の牛を演じたのは、イーヴィーという雌牛。ライカート監督は、映画の重要なキャラクターとなるイーヴィーとのエピソードとして、たくさんの顔写真の中からいちばん大きな目をしていた彼女を抜擢したと語っている。

映画『ファースト・カウ』日本版予告

 日本版予告編では、アメリカンドリームを夢見るふたりの男が、未開の地に初めてやってきた、たった一頭の牛と出会い、物語が動き出す様子が描かれている。

映画『ファースト・カウ』本国トレーラー

 さらに、本国トレーラーと新場面写真も公開。本国トレーラーは、料理人のクッキーと中国人移民のキング・ルーが静かな森の中で出会うシーンから始まる。そして、たった一頭の牛によって2人の人生が大きく左右されていく様子が映し出されている。

 新場面写真では、クッキーとキング・ルーが豊かな自然の中で、“あるビジネス”について話し込む様子や、ジョーンズ演じる仲買商が、ドーナツのあまりの美味しさに感動している姿が切り取られている。

 また、著名人からの応援コメントも到着した。

コメント

ISO(ライター)

マチズモを礼賛する開拓時代に、男の業から解放された親密さを育む2人。フロンティアで芽生えたその聖域をいつしか羨望の眼差しで見ていた。歴史書に載らない落後者の人生を拾う、ライカート監督の優しさが光る名篇。

大前粟生(小説家)

物語より親密さを、死やスリルより彼らの生活のささやかな一場面を大事にしてくれる、素晴らしい映画。

中村千晶(映画ライター)

ずっとハラハラなのに、なんて心優しい映画なんだろう! マッチョな開拓時代、主人公ふたりは明らかにマイノリティだ。彼らの風変わりな共同生活のぬくもりに、いつの時代にもある「生きづらさ」を感じてヒリッとする。

門間雄介(ライター/編集者)

歴史の深層から社会を、生活を、そこに生きた人々を掘り起こし、生き生きと再現する、そして人と人との間に生じる、心の通いあいを嘘なく記録する、友情劇という一語にはくくりきれない、深い余韻を残す物語。

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■公開情報
『ファースト・カウ』
12月22日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督・脚本:ケリー・ライカート
脚本:ジョナサン・レイモンド
出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ
配給:東京テアトル、ロングライド
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