『コタツがない家』小池栄子の奮闘が面白く切ない 笑いの中に潜む世代ごとの生きづらさ
「団塊世代」と「新人類」の狭間で、現在70歳の達男はかつて、エリートサラリーマンで、「常識からはみ出さない生き方」を信条として生きてきた。新卒から定年まで一流商社で勤め上げたが、定年後、大学時代の親友から投資詐欺に遭って老後のための蓄えを失う。アルバイトの面接を受けるべく「1000円カット」で散髪し、公園のベンチで履歴書を書く達男が、うら悲しい。
51歳の悠作と44歳の万里江は、7つ年齢差があるものの、共に「就職氷河期世代」。“堅気”の人生には最初から背を向けて漫画家を志した悠作と、大学時代からウェディングプランナーになるのが夢だったが希望の企業に入れず就職浪人、「いつか見返してやる」と歯を食いしばってきた末に会社経営者となった万里江。それぞれの就職氷河期世代の行く末が趣深い。
世の中では多様性の重視が叫ばれ、選択肢がたくさんありすぎるあまり、逆に自分がどう在ればいいのか悩んでしまう「Z世代」が多いと聞く。高校3年生の順基も今、その迷路の中にいるようだ。
第4話では、悠作の浮気疑惑が持ち上がり、順基の「進路迷子」がさらに混迷を極めそうだ。家族ーーそれは社会の中のいちばん小さな一単位。全員が勝手なことばかり言っている深堀家の4人は果たしてどこへ向かうのだろうか。迷っても、遠回りしても、最後には自分らしい幸せを見つけてくれることを願うばかりだ。
参照
※https://www.ntv.co.jp/kotatsuganaiie/articles/3705aqsoq8kg77wpkd4v.html
■放送情報
水曜ドラマ『コタツがない家』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:小池栄子、吉岡秀隆、作間龍斗、ホラン千秋、富田望生、河野真也(オクラホマ)、平澤宏々路、中川大輔、野々村友紀子、石川萌香、高橋惠子、北村一輝、小林薫
脚本:金子茂樹
演出:中島悟、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、大護彰子、市山竜次
チーフプロデューサー:田中宏史
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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