『下剋上球児』鈴木亮平と黒木華の会話がドラマの推進力に 南雲の衝撃の事実も発覚

『下剋上球児』鈴木亮平と黒木華の会話が軸に

 第2話のハイライトは1年の根室(兵頭功海)のリリーフ登板だった。先発の翔を気づかう根室は遠距離通学で、両親を亡くして親代わりの姉・柚希(山下美月)とともに、漁の手伝いをして家計を支えていた。ピッチャーが足りないと聞いて「犬塚を助けられるのやったら」と投手兼任を承諾するエピソードだけでも感動的なのに、代わってマウンドに上がった根室が星葉打線を手玉に取る姿は、控えめキャラの内に秘めた闘志を感じさせる胸熱な展開だった。この他に、人数合わせで入った助っ人の久我原(橘優輝)がいきなり大活躍して野球の面白さに目覚めるシーンは、少年漫画の王道を感じさせた。

 ここまでドラマの基軸をなしているのは、鈴木亮平と黒木華の対話である。野球部の監督と顧問を演じる2人はピッチャーとキャッチャーのようで、キャッチボールのようにテンポの良い会話が物語を前へ進めていく。そこに折り重なる部員たちの会話、グラウンドの喧騒、観客の応援や解説、さらに劇判まで含めると本作は多分に多声的な構造を持っている。チームスポーツであり、野球が民主的な球技であることを考えると納得だ。2人の会話はサスペンスの要素も運んでくる。南雲が監督を固辞したり、教師を辞めると話した理由が、教員免許を持っていないためという衝撃の事実が発覚した。南雲自身の進退はおろか、野球部の大会出場を根底から揺るがしかねない事態に山住はどう対処するのか。下剋上はやはり一筋縄ではいかない。

■放送情報
日曜劇場『下剋上球児』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:鈴木亮平、黒木華、井川遥、生瀬勝久、明日海りお、山下美月、きょん(コットン)、中沢元紀、兵頭功海、伊藤あさひ、小林虎之介、橘優輝、生田俊平、菅生新樹、財津優太郎、鈴木敦也、福松凜、奥野壮、絃瀬聡一、鳥谷敬、伊達さゆり、松平健、小泉孝太郎、小日向文世
原案:『下剋上球児』(カンゼン/菊地高弘著)
脚本:奥寺佐渡子
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子、山室大輔、濱野大輝
編成:佐藤美紀、黎景怡、広瀬泰斗
製作:TBSスパークル
©TBSスパークル/TBS(撮影:ENO)
©TBSスパークル/TBS :Len
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gekokujo_kyuji_tbs/
公式X(旧Twitter):@gekokujo_kyuji
公式Instagram:@gekokujo_kyuji
公式TikTok:@gekokujyo_tbs

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