『最高の教師』“2周目の人生”の九条に訪れた結末 『3年A組』と重なるクライマックスに
そんな星崎に九条がかける「自分だけでも自分を信じてみませんか」の言葉。それを受け取ってもなお、「わかるんだけど心が動かない」と飛び降りようとする星崎。それよりも少し前に彼は、鵜久森が転落したことで設置された花壇を見下ろしながら、鵜久森が命を落としたことについて表情も感情もないまま「悲しかったな」とつぶやいていた。しかし飛び降りる直前にこぼす「悲しいね」の言葉の時には、感情が確かに存在していた。それでも涙は流れない。これまで他の生徒たちが九条の言葉を受けて感情をあらわにし、流していたような涙を、星崎は持っていないのだ。その苦しさこそ、感情が欠如し自分自身に対してさえも想像力を失ってしまうことこそが、すべての問題――“憶測”で動く社会の根幹にあるものなのかもしれない。
間一髪のところで星崎の手を掴み、引き上げようとする九条。そこにやってくる蓮と、駆けつけるD組の生徒たち。このシーンは完全に『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の最終話の屋上で繰り広げられた、どこかオールドファッションな学園ドラマらしさのあるクライマックスと重なる。そしてその後に待ち受ける最後のひと波乱といえる一連。タイムリープものの鉄則(ならびに鵜久森の死によって掲げられた一種のフラグ)を無視することになったとしても、タイトルで伏せられた“■”に“託”の一文字を入れるためであれば充分に納得のできるまとめかたである。
■配信情報
『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』
TVer、Huluにて配信中
出演:松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、福崎那由他、田牧そら、山下幸輝、寺本莉緒、萩原護、詩羽、田中美久(HKT48)、浅野竣哉、丈太郎、柿原りんか、橘優輝、莉子、田鍋梨々花、夏生大湖、藤嶋花音、岩瀬洋志、阪本颯希、岡井みおん、藤﨑ゆみあ、のせりん、川本光貴、白倉碧空、細田善彦、長井短、サーヤ(ラランド)、吉田羊、犬飼貴丈、荒川良々、松下洸平
演出:鈴木勇馬
プロデューサー:福井雄太、鈴木努、秋元孝之
チーフプロデューサー:田中宏史
主題歌:菅田将暉「ユアーズ」
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
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