『この恋は不可抗力』ロウンを夢中にさせたチョ・ボア ホンジョの恋から目が離せない
韓国ドラマ『この恋は不可抗力』が全16話中、第8話までNetflixで配信された。本作は、イケメン弁護士チャン・シンユ(ロウン)と天涯孤独の平凡な公務員イ・ホンジョ(チョ・ボア)によるファンタジーロマンスドラマだ。
職業もビジュアルも申し分ないシンユだが、何百年も呪われた一族に生まれたために遺伝病を抱え、人知れず悩んでいる。遺伝病から解放されるには、謎の木箱を開けるしかないと巫女のウンウォル(キム・ヘオク)に言われ、その木箱の持ち主がホンジョだと分かり、2人の奇妙な関係が始まる。
前世で関わりがあったことが示唆されているシンユとホンジョだが、呪術をきっかけに2人の深い縁が浮き彫りになり、そこにホンジョが片思いをしているクォン・ジェギョン(ハ・ジュン)とシンユの婚約者、ユン・ナヨン(ユラ)が関わってくるのだが……。
物語が折り返しとなり、シンユとホンジョの関係だけでなく、ホンジョを追いかけまわすストーカーの存在など、ミステリー要素も加わってきた。これまでの見どころと今後の展開を考察してみたい。(以下、ネタバレあり)
溌剌としてまぶしいチョ・ボア
ロウンが演じるイケメン弁護士チャン・シンユに注目が集まっているが、平凡な公務員イ・ホンジョを演じるチョ・ボアの好演も際立っている。
ホンジョは、生まれてすぐに母親を亡くし父親と2人で暮らしてきた。高校時代、シンユの婚約者・ナヨンからいじめを受け学校を中退。学校を辞めたことを責めずに父親は「旅をしよう」とホンジョを誘ったが、旅先の川でおぼれた子どもを助け、亡くなってしまう。天涯孤独となったホンジョは、生前「安定した仕事が一番だ」と言っていた父親の言葉どおり公務員となったが、父親が亡くなったのは自分のせいだと責めている。
公務員として真面目に勤務しているホンジョだが、正直すぎる性格ゆえに職場の同僚から疎まれてしまう。転任先のオンジュ市役所・緑地課のコンチーム長(ヒョン・ボンシク)は、過去に因縁のある上司で、着任早々いびられる始末だ。職場いじめはリアルに描かれていて眉をひそめてしまうが、ホンジョはめげずに明るく振る舞うところが魅力的だ。もちろん悔しさと悲しさで涙を流す場面もあるのだが、決してその感情を引きずらない。そして片思いの相手で、オンジュ市役所女性職員の憧れの的、クォン・ジェギョンに勢いで告白するなど、度胸もある。
筆者は、なぜホンジョが不遇な扱いをされるのか、理解に苦しんだ。少々不器用だが、仕事は一生懸命こなすし、ルックスも決して悪くない。
高校時代、いじめの主犯格だったナヨンは、シンユに対して他人事のように「ホンジョは貧乏だからいじめられていた」と言っていたが、何事も一生懸命でキラキラ輝くホンジョに対してやきもちを焼いていたとしか思えない。実際にきちんと評価している人はいて、コンチーム長の同期で出世頭のマ課長(イ・ボンリョン)は、何かとホンジョをフォローしてくれる。
冴えない毎日を送っていたホンジョだが、シンユを通して巫女のウンウォルに謎の木箱の持ち主だと言われたことで、日常が慌ただしく変化していく。
木箱の中には「魔力天字文」と書かれた呪術書が入っていた。朝鮮王朝時代に書かれたとみられるこの呪術書には「財を得るための術」「白玉美人術」「愛情成事術」「身病治療術」などがあり、これらの呪術を使うことができるのはホンジョのみだという。
早速、告白してフラれたジェギョンを振り向かせるべく「愛情成事術」を使うところがホンジョのたくましさだ。「愛情成事術」で作った愛の水をジェギョンに飲ませようと策を練るのだが、それを間違ってシンユが飲んでしまう。そしてシンユだけでなく、コンチーム長や取引先の造園会社の社長も飲んでしまったことで、事態がややこしいことになっていく。
ホンジョは片思いの相手、ジェギョンとの距離も縮めつつあり、フラれたと思っていたがジェギョンもホンジョを憎からず思っている様子だ。ホンジョを狙うストーカーが出現するなどありがたくない効果もあるが、ホンジョがモテるようになったのは「愛情成事術」で作った愛の水の影響だけなのだろうか? 物語の後半、ホンジョの恋の行方から目が離せない。