石橋静河が語る、踊りの経験が芝居に生きる喜び 松村北斗&西畑大吾との撮影裏話も

石橋静河、『ノキドア』撮影の裏側を語る

「がむしゃらにやるフェーズから一旦抜けた」

ーー2022年、静御前役で出演された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)の中で、舞が話題になりましたが、本作の第5話でも見事なアクションを披露されています。クラシックバレエやコンテンポラリーダンスを表現の原点とされている石橋さんにとって、身体を使った演技はやりがいがありますか?

石橋:私は4歳から18歳までバレエをやっていたんですが、バレリーナになるという子供の頃からの夢が叶わなかったという意味では、一度挫折を経験しているんですよね。そこにはやっぱり「今までの時間はなんだったんだろう」っていう虚しさはつきもので。だからこそ、こうして自分のやってきたことが現在の仕事に還元される部分があるというのは嬉しいですし、「全部無駄じゃなかったんだな」ってここ数年よく思います。とはいっても、お芝居と踊りはまた違う表現なので、お芝居を始めたばかりの頃は、一度踊りの感覚を忘れなきゃと思ってあえて離れていた部分はあるんです。でも、あるときから身体を使うお芝居が増えてきて、自分の中でうまくバランスを取りながら両方の感覚を持って挑めるようになってきたので、今はとても楽しいです。

石橋静河、強さも弱さも表現する巧みなアプローチ 『鎌倉殿の13人』静御前は運命の役に

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源義経(菅田将暉)の愛妾・静御前を石橋静河が演じている。初の大河ドラマ出演で、自分と同じ名前…

――2022年は大河だけではなく、池波正太郎さんの生誕100周年を記念したNHKの特集ドラマ『まんぞく まんぞく』で主演を務められるなど、ご自身でも節目の年になったという実感はあったのでしょうか。

石橋:大河出演は役者人生の中でも相当大きな出来事だったなと思います。ただそれとはまた別に、2022年は自分の中で節目の年になった気がしていて。というのも、私は21歳でお芝居を始めたんですが、これまではとにかく合格点を取ろうと必死だったんです。でも、だんだん周りを見渡せるようになって、特に2022年はがむしゃらにやるフェーズから一旦抜けた感覚がありました。もちろん学びはこれからも続いていきますが、役者はどうしても普段の生活が現れてしまうお仕事だと思うので、これからは美味しいものを食べたり、家族や友人と楽しい時間を過ごしたりとプライベートを充実させるほうにもフォーカスしていければなと思います。

――現在は絶え間なくいろいろな作品に出演されていますが、撮影と撮影の間はどのように過ごされているのでしょうか?

石橋:最近は琉球舞踊を習っていて、一つの撮影が終わると沖縄に行くのがルーティンになりつつあります。琉球舞踊は音楽も独特で、踊りも見たこともない動きがたくさんあるんです。型を大事にする伝統芸能でもありますし、とても難しいです。

――お仕事が忙しい中で、新しいことにチャレンジされるって相当アグレッシブじゃないとできないことですよね。

石橋:私はかなり、ゆるくやっている方なので(笑)。でも、すごく大事な時間だなと思っています。やっぱり役者は周りの方に気を遣っていただくことが多い仕事なので、本当にゼロの状態から何かを厳しく教えていただけるのが逆に新鮮で。「自分はここに来たら、本当に何もできないんだな」って、いろんな意味で初心に帰れる時間になっています。

――最後に、ドラマの終盤に向けた見どころを教えてください!

石橋:これまでは倒理と氷雨が時にぶつかりながらも力を合わせていろんな事件を解決してきましたが、ここからは想像もつかないような過去が少しずつ明らかになってきます。その中で穿地が刑事になった理由も見えてきますし、複雑な人間関係がもっともっと面白くなってくるので、ぜひ楽しみにしながら最終回まで観ていただきたいです!

■放送情報
『ノッキンオン・ロックドドア』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:松村北斗(SixTONES)、西畑大吾(なにわ男子)、石橋静河、畑芽育
原作:青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』(徳間書店)
脚本:浜田秀哉
監督:堤幸彦ほか
音楽:fox capture plan
主題歌:SixTONES 「CREAK」
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、長澤佳也(オフィスクレッシェンド)、小林麻衣子(テレビ朝日)
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/knockin_on_locked_door/

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