『どうする家康』本多平八郎忠勝の武器は“地団駄”だ 山田裕貴のカッコよさと愛嬌を解説

『どうする家康』本多平八郎忠勝の愛嬌を解説

 カッコいいのだが、中身は「初登場時13歳の子供」である。実は、その「幼さ」と「かわいさ」も大きな魅力だ。

 戦闘時の平八郎の武器は蜻蛉切だが、平常時の武器は“地団駄”である。なんなら、蜻蛉切以上の破壊力を秘めている。

 殿の上洛について行った平八郎だが、榊原小平太康政(杉野遥亮)相手に「人が多すぎる」「気分が悪い」「女の香の匂いで頭がクラクラする」などと愚痴り続けたかと思うと、発熱して倒れる。「だから俺は都になど来たくはなかったんじゃ!」と泣き叫び、ジタバタと地団駄を踏む。もはや13歳どころか“いちばん手のかかるイヤイヤ期の2歳児”である。悔しいが、実にかわいい。

 手のかかる平八郎を決して見捨てない小平太も、本当にいい奴だ。女性に対しても恐ろしく奥手な平八郎を案じて、共にナンパしたりもする。変装して侵入した敵地(一向宗)なのに。もっとも、相手は殿の母親(松嶋菜々子)と先輩の奥さん(猫背椿)だったわけだが。

 平八郎の恋の相談などにも、小平太は乗ってあげていたのではないだろうか。平八郎の娘・稲(鳴海唯)もこれから登場するようだ。だが小平太がいなければ、あの「いくさ以外は2歳児」の平八郎では、結婚すらおぼつかなかったかもしれない。

 ありがとう、小平太。

 小牧・長久手の戦いにおいて最終形態となった平八郎だが、まだ“天下分け目の大いくさ”関ヶ原の戦いが待っている。

 「殿を天下人にするまでは、死ぬわけにはいかん」と、親友・小平太に宣言した平八郎。まだまだ、蜻蛉切を振り回して暴れてくれそうだ。

 だが、もう1度また盛大に地団駄を踏んでくれることも、密かに期待している。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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