アニメ『ONE PIECE』ワノ国編は毎回が神回状態に “ニカ”となったルフィの圧巻バトル
作画監督やアニメーターによってキャラが変わり、それがアニメの面白さだと受け止められていた昔と違い、今のアニメは設定された絵と違えば、すぐに作画崩壊だと突っ込まれる。そうした制約の中で、描線をしっかりと維持したままで動かし、とてつもないアクションシーンをエフェクトと共に作り上げる『鬼滅の刃』のufotableや、『呪術廻戦』のMAPPAの凄さは誰もが認めるところだ。
そうした規準に当てはめれば、ゆらゆらとした描線で動くイケメンのルフィには、作画が崩れていると言われかねないところがあるが、実際にアニメを観てそう思うことは難しい。なぜならカッコいいからだ。圧倒的だからだ。「ニカ」として覚醒したルフィ以外の何者にも見えないからだ。
「ニカ」の状態にあるルフィには、設定どおりなどという杓子定規な頭は通用しない。「ふざけた能力」と呼ばれるように、「ギア5」の状態になり、「太陽の神ニカ」となったルフィは、ゴム人間として自在に伸び縮みするだけでなく、カートゥーン的な姿にもなってカイドウを翻弄する。目も飛び出せば体も膨らみ巨大な姿にもなる。イケメンになっても不思議はない。アニメーターもいろいろ試せるチャンスだと挑戦した成果が、ここしばらく続いている奔放なアクションに現れているのかもしれない。
そして、これからいっそうエスカレートしていくのではといった期待もふくらむ。第1073話「逃げ場なし!地獄絵図の鬼ヶ島」では、ルフィの仲間たちや、ワノ国の人々が燃えさかる鬼ヶ島のドームの中で逃げ場を求めて走り回る。ドームの外では、ルフィとカイドウの決着に向けてのバトルが進む。クライマックスを超えるクライマックスを描く絵が、その過程を至高や究極にしてレベルをさげていくはずがない。
どう描くのか。誰が描くのか。『ONE PIECE』のファンだけでなく、アニメが好きな人には目が離せない日曜日が続きそうだ。
■放送情報
アニメ『ONE PIECE(ワンピース)』
フジテレビ系にて、毎週日曜9:30~10:00放送
キャスト:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、宝亀克寿ほか
原作:尾田栄一郎『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載
制作:フジテレビ、東映アニメーション
©︎尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
公式サイト:https://one-piece.com/
公式Twitter:@OPcom_info