Netflix実写版『ONE PIECE』予告編に対する海外の反応は? 原作ファンも納得の再現度

『ONE PIECE』海外でも好評の再現度

 人気漫画の実写化。そう聞いて、あなたはどのようなイメージを持つだろうか。日本の漫画作品の多くは、人気を獲得すればするほど、メディアミックスを展開していくことが多い。アニメ化、映画化までは基本的に多くのファンはよろこんで受け入れるが、そうでないものもある。それが「実写化」だ。特に「日本作品のハリウッド実写化」は、過去に失敗とされた作品の数々から、アレルギー的に拒否感を示すファンも少なくない。

『ONE PIECE』ティーザー予告編 - Netflix

 そんななか、2017年にNetflixが日本の大人気漫画『ONE PIECE』を実写ドラマ化すると発表された。1997年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されている『ONE PIECE』は、海賊王を夢見る少年モンキー・D・ルフィ率いる「麦わらの一味」が、かつての海賊王ゴール・D・ロジャーが遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を探して冒険をくり広げる物語だ。この人気作品のハリウッド実写化に対するファンの反応は、当初微妙なものだった。やはり先述した拒否感に加え、Netflixがこれまで製作してきた日本の漫画・アニメの実写化作品の多くが、評判が芳しくなかったからだ。しかし本作は、エグゼクティブ・プロデューサーとして原作者の尾田栄一郎が参加し、折に触れて自筆のメッセージで自身が納得のいくものを製作中であると発信してきた。それが世界中のファンにとって、一縷の希望となっていた。そして2023年6月18日にティザー映像が公開されると同時に8月31日に配信されることが発表され、7月22日には本予告が公開された。本稿では、ティザー映像および予告編に対する海外の反応を紹介していきたい。

キャラクターの再現度に期待が高まる

 漫画・アニメ作品の実写化の成否は、ほとんどキャラクターの再現度にかかっているといっても過言ではない。しかし、ただ原作に忠実であればいいというわけではなく、実写にしても違和感がないかどうかも重要だ。

 これについて実写版『ONE PIECE』は、ネット上では概ね好意的に受け止められている。主人公モンキー・D・ルフィを演じるイニャキ・ゴドイはメキシコ出身、2003年生まれの20歳。ルフィ役に抜擢されたときは18歳だった若き新鋭だ。原作開始時点でのルフィが17歳だったことを考えると、年齢的にもちょうどいい。少年らしさを残した彼のルフィは、まさに現実世界にルフィがいたら、このような雰囲気なのではないかと思わせる。Netflixの公式YouTubeチャンネルに投稿されたティザーへのコメントでは、「最後のルフィがゾロを見るシーンでの彼の表情は、ルフィそのもの」との声もあり、予告編を見る限り、このキャスティング、そして彼の演技に納得しているファンは多いようだ。

『ONE PIECE』予告編 - Netflix

 また、ファンが投稿しているリアクション動画を見てみると、新田真剣佑が演じるゾロも好評だ。ゾロのクールな雰囲気が見事に再現され、剣を使ったアクションも迫力がある。一方で、ウソップ(ジェイコブ・ロメロ・ギブソン)の鼻やサンジ(タズ・スカイラー)の眉毛について、原作に忠実でないと指摘する声もある。しかしこれは、実写化するうえで違和感のないものにする必要があったと理解を示す意見の方が多い。原作の要素を多く取り入れながら、コスプレになってしまわないことも、漫画・アニメの実写化作品では重要だ。

 麦わらの一味だけでなく、彼らの敵となる海賊たちのリアリティに寄せた再現度にも注目だ。道化のバギー(ジェフ・ワード)は、原作よりも恐ろしい外見になっており、予告編でも彼がくり出す「バラバラ砲」も、CGを使った迫力のシーンになっていることが確認できる。原作以上に強敵らしさのあるこの演出も好評だ。また、ノコギリザメの魚人で魚人海賊団アーロン一味の船長であるアーロン(マッキンリー・ベルチャー)の特徴的な鼻も、実際のノコギリザメに寄せたデザインになっており、その不気味さが際立つ。「実写だとこうなるのか!」という驚きの声とともに受け入れられているようだ。

 ティザーが公開された段階で、ネット上では期待の声が多かった。「思ったより良さそうで驚いた」「30年以上『ONE PIECE』を追ってるけど、これは期待できそう。よくやった!」などの好意的なコメントが寄せられ、その後予告編が公開されると、その声はさらに大きくなっている。

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