『らんまん』万太郎×寿恵子の何気ない朝の時間が愛おしい 助教授・徳永の心に染みる言葉も

『らんまん』万太郎×寿恵子の愛おしい時間

「植物学に携わる誰もが認める本を出すんだ」

 身分と地位を保証するものを、何も持ち合わせていない万太郎(神木隆之介)。そんな彼が、植物の名付け親になるにはどうすればいいかを里中教授(いとうせいこう)が導いてくれた。それは万太郎の知見や発見が詰まった図鑑で世間をあっと驚かせ、植物の名付け親に値する人物だと知ってもらうこと。『らんまん』(NHK総合)第15週が幕を開け、さっそく万太郎は図鑑作りに取り掛かる。

 万太郎はその日、久しぶりに植物採集に出かけない朝を迎えた。朝の食卓で、寿恵子(浜辺美波)と「たぬき(蒟蒻)汁ときつね(お揚げ)汁のどちらが好きか」について盛り上がる万太郎。どちらも原材料が植物であるからと万太郎はどうでもいいことで頭を悩ませるが、結婚して以来、あまり夫婦水入らずの時間を過ごせていない寿恵子にとってはその一瞬一瞬が幸せなのだろう。何とも愛らしい笑顔を浮かべる寿恵子を見るだけでこちらも癒される。しかし、その表情は「(家に)帰れんようになる」と言い出したことで途端に陰るのだった。

槙野寿恵子役・浜辺美波

 万太郎は今後の構想を寿恵子に語る。記念すべき1冊目の本を出版するにあたり、万太郎は自分が一番得意とする植物画で勝負することに決めた。図鑑にはその植物がどういうものかを説明する文章と絵や画像が添えられているが、万太郎がこれから出そうとしているのは日本初の一冊丸ごと植物画のみの“図譜”である。名付けて、『日本植物志図譜』。それを皮切りに八犬伝方式でどんどん本を出版するという万太郎の話に寿恵子も心を躍らせる。いよいよ、本格的に二人の冒険が始まった感じだ。

 だけど、そのためには研究の合間を縫って下絵を完成させ、印刷する必要がある。植物学雑誌を作っていた時と同じ。昼間は大学で、夜は大畑(奥田瑛二)の印刷所に通う生活がまた訪れることを物語っていた。夜は少しでも布団で身体を休めると寿恵子と約束したばかりだが、今は頑張りどころだからやらせてほしいと頼み込む万太郎。寿恵子はそれを笑顔で承諾するが、完全に納得はしていないのではないか。以前のように、万太郎が自分の元に戻ってくるのをただ待つことはしない。何かしら寿恵子も自らアクションを起こすはずだ。

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