『らんまん』浜辺美波がかわいすぎる 好奇心と知性を併せ持つ最高のパートナーに

『らんまん』浜辺美波がかわいすぎる

 寿恵子(浜辺美波)が真っ白なドレスで駆け出す姿が本当にかわいらしく清々しかった『らんまん』(NHK総合)第11週。女性が自らの意志で、そして自分の足で好きな人の元に迷わず駆け寄るシーンというのは、どうしてこうも素敵で軽やかで心打たれるのだろうか。

 万太郎(神木隆之介)がようやく植物学会誌を完成させ、寿恵子のことを迎えに行く準備が整った頃、彼女も自分の本心に素直に生きる覚悟を決める。誰かが自分のことを見つけ出し、ここから連れ出してくれるのを待つばかりでなく、自分のこれからを自身で選び取り、咲こうとする寿恵子に魅了される。

 そもそも元薩摩藩の実業家・高藤(伊礼彼方)が寿恵子を舞踏練習会に誘ったのも、全く物怖じせず朗らかで快活な彼女に特別なものを感じてのことだった。まだ見ぬ自分の知らない世界に想いを馳せ、飛び込むことができる度胸があり、違いを面白がることのできる知性と知的好奇心が備わっている寿恵子。そんな彼女にとっては、身分が高く何不自由ない生活が一生保証されている高藤からの求婚は、むしろ窮屈で“籠の鳥”として自身を押し込めてしまう思いがしたのだろう。新しい世界に触れ合う機会は与えられるものの、それはあくまで高藤に相応しい同伴者としての振る舞いを習得させるためであって、自力では飛び立てないように、籠の外には出られないよう外堀を徐々に埋められていくのを彼女は実感していたに違いない。

 「身分は気にしないで。あなたは生まれ変われる!」と無邪気に、本人としては100%前向きな気持ちから発した高藤の言葉に、寿恵子はその違和感をはっきりと口にした。「どうして……生まれ変わらなくちゃいけないんですか? 私のままでなぜいけないんですか?」この寿恵子の一言はあまりに痛快だった。“男と女は対等だ”と名ばかりの男女平等を推し進めようとする男性陣は、自らには一切の変化を課さず、妻だとか妾だとか養女だとか、自分の都合の良い枠組みに女性ばかりを当てはめようとする。

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