『Dr.チョコレート』突飛で軽やかな医療ドラマ 演技初挑戦の白山乃愛が見せたギャップ
シンガポールから日本へと向かう飛行機内で、機長が突然意識を失ってしまう。ドクターコールで渋々と席を立つ“Teacher”こと野田(坂口健太郎)と、彼を追うようにコックピットにやってくる10歳の少女・唯(白山乃愛)。処置を行うのは野田ではなく、唯のほう。即座に機長がアナフィラキシーを起こしていることを見抜き、ありものの道具で着陸までの時間を稼ぐ。
4月22日に始まった日本テレビ系列の土曜ドラマ『Dr.チョコレート』は、1億円と秘密保持契約、そしてチョコレートを条件に、どんな難しい手術でも必ず成功させる闇医者の天才外科医“Dr.チョコレート”を描く物語である。
天才外科医だった父(山本耕史)と遺伝子研究者だった母(安達祐実)を2年前の爆破事件で殺され、父の愛弟子であった野田と共に身を潜めていた彼女が帰国し、新たなチームを作り上げていく。法外な金額を吹っ掛け困難なオペに臨む闇医者チームといえば、前クールのTBS系列の日曜劇場『Get Ready!』とどうにも重なってしまう点は否めないが、天才外科医が子どもであるという一点において、より突飛で軽やかなドラマらしさを携えているようにも見える。
帰国早々、代理人である野田の元に一件の依頼が舞い込んでくる。それは議員秘書の登戸龍彦(駿河太郎)からのもので、党の総裁選を控えた衆議院議員である父を救ってほしいという。それに対応するため、あらかじめスカウトしていた6人のチームを集めていく野田。アジトで術前カンファを行い、これが難易度の極めて高いオペであることを共有しつつ、深夜の病院で金を受け取り、オペを開始する。そこで初めて唯とチームの面々が顔を合わせる。彼らが唯の天才外科医ぶりを目の当たりにして驚くさまが、このドラマの第1話の要であろう。それは同時に、視聴者にも同じだけの驚きを与える役割を果たしているとも捉えることができよう。