多部未華子「こんなに悩んだのは初めて」 『幸運なひと』を通して感じた“エゴ”の大切さ

多部未華子が感じた“エゴ”の大切さ

「『私はこうしたい』と言えることはとても必要」

ーーそんな悩まれたセリフの中で印象に残っている言葉やキーワードは何かありましたか?

多部:「エゴ」という言葉についてはとても考えることが多かったです。これまでの人生でこんなにこの言葉を使うこともなかったので(笑)。「エゴ」という言葉は、どうしても悪い意味でとられやすいと思うのですが、「私はこうしたい」と言えることはとても必要で、そしてそれを受け止めてくれる相手がいるというのはとても幸せなことなんだと思いました。いい意味で、「エゴ」という言葉はこれからも使う機会があるように感じています。

ーー咲良は多部さんご自身とも同世代で、共感される部分も多々あったのでは?

多部:咲良は一度は夢破れて「マネージャー」として働いていましたが、「プレイヤー」のピアニストとして再挑戦したいという思いがありました。そして、そのチャンスが目の前にあった。でもそんな中、夫ががんになってしまい、子供が欲しいという思いも諦めたくない。年齢的な難しさもある中で、それでも一番後悔しない選択肢は何なのかという自問自答には、共感することが多かったです。「若くしてがんになった夫を持つ」という経験をされている方は決して多くはないと思うのですが、女性として家庭や社会、仕事とどう向き合っていくかという点については、多くの方に共感していただける部分があるのではないかと思います。

ーーがん患者の家族の物語ではありますが、おっしゃっていただいたように非常に普遍的な家族の物語だと感じます。

多部:そうですね。1つのドラマとして夫婦の人生の選択の仕方を観ていただけたらなと思います。がんを扱う物語ではあるのですが、決してそれだけの物語ではないので。がんによって、人生やお互いのことについての向き合い方がどんなふうに変化していったのか、その変化が何をもたらしたのか。「ある夫婦の話」を覗き見するような形で観ていただけたらなと思います。

■放送情報
特集ドラマ『幸運なひと』
NHK総合・NHK BS4Kにて放送
前編:4月4日(火) 22:00〜22:45
後編:4月11日(火) 22:00〜22:45
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/kouunnahito/ts/7P49G2W1KX/

舞台裏ドキュメンタリー
NHK総合・NHK BS4Kにて、4月13日(木)深夜00:35~01:05放送
出演:生田斗真、多部未華子、西田尚美、加藤諒、相島一之、宮崎美子、山中崇ほか
作:吉澤智子
制作統括:上松圭
プロデューサー:城谷厚司、吉永証、谷紗耶香
演出:一木正恵
音楽:原摩利彦
写真提供=NHK

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