屋敷系ホラーの変化球 『屋根裏のアーネスト』が投じた“なんでも消費時代”への一石
『屋根裏のアーネスト』は、アーネストの心残りが消えて終わる。そこまでの経緯には、幽霊と遭遇してしまった人の、幽霊に対する「知る努力」と「安らかに眠ってほしいという気持ち」が欠かせない。
思い返してみれば、幽霊が出てくるファミリーホラー映画のテーマは同じような流れになっている。例えば『モンスターハウス』(2006年)や『ホーンテッドマンション』(2003年)、『コープスブライド』(2005年)などは、死者や超常現象を恐れながらも、幽霊が求めるものに対して「なぜ」と疑問をぶつけ、解決して恐怖を取り除き受け入れる展開だ。
他のパターンだと、死を必要以上に恐れる必要はないというメッセージが多いように感じられる。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(1993年)、『ビートルジュース』(1988年)、『ホーカス・ポーカス』(1993年)などがそれらに当たる。
『屋根裏のアーネスト』の場合、どちらのテーマも含んでいるだけでなく、なんでもコンテンツとして消費されることに対する是非にも一石を投じている。
コメディ要素も強い本作だが、昨今の“面白ければなんでもあり”の風潮に疑問を持っている人は観て損はないだろう。
■配信情報
『ウィー・ハブ・ア・ゴースト/屋根裏のアーネスト』
Netflixにて配信中
監督・脚本:クリストファー・ランドン
出演:デヴィッド・ハーバー、ジャヒー・ディアロ・ウィンストン、ティグ・ノタロ、エリカ・アッシュ、ジェニファー・クーリッジ、アンソニー・マッキー、フェイス・フォード、ナイルズ・フィッチ、イザベラ・ルッソ、スティーヴ・コールター
©2022 Netflix, Inc.