『クジャクのダンス』明らかに怪しい赤沢家の動向を振り返る 妻・京子だけの秘密がある?

『クジャクのダンス』明らかに怪しい赤沢家

 広瀬すず主演のTBS金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』。第7話でついに山下心麦(広瀬すず)が「東賀山事件」の生き残りである林川歌だと明かされ、赤沢守(藤本隆宏)が深く関わっていることも分かった。彼はいったいどんな秘密を抱えているのだろうか? 赤沢刑事を中心に改めて赤沢家の怪しい描写について考察してみたい。

 第7話で明らかになったのは、赤沢が積極的に動いたことで東賀山事件唯一の生き残りの林川歌が心麦になったということ。林川家の総資産相続人となる末っ子である歌を引き取ったのが林川安成(野間口徹)の従兄弟である津寺井幸太(鳥谷宏之)。生き残った被害者の娘を利用して一儲けしようと企む話を聞いて不憫に思った赤沢は、春生が手紙に残した冤罪メンバーの産婦人科医・阿波山京一郎(井上肇)に出生証明書の偽造を依頼。冤罪メンバーの助産師・高畑まのか(大島蓉子)が心麦の母子手帳の記録を書き換え、子宝に恵まれなかった山下春生(リリー・フランキー)・静香(仙道敦子)夫妻が歌を心麦として育てることに。

 これが赤沢が東賀山事件を掘り返されたくない理由の一つだろう。終盤になって良い意味での昔気質の刑事という好印象に変わったかのと思いきや、京一郎とまのかに呼び出され、心麦に真実を話したことを伝えられると、「山下さんもあなたも、人が良すぎるのがあだになるんですよ」と言った後に病院が燃やされることに。一見、赤沢が実行したと思わせる演出だが、心麦や松風弁護士(松山ケンイチ)たちに出生の秘密が知られた以上、今さら2人を消すようなことはしない気がする。ただもし赤沢がやったとなると、同じように春生も殺害した可能性も出てくる。

 そこで怪しいのが鳴川弁護士(間宮啓行)。これまでも隠蔽行動を行なっているカラビナ男=鳴川弁護士説が有力視されてきた。松風が心麦=歌という証拠のビデオを受け取りに行こうとすると、鳴川は渋い表情を見せ、何かと理由つけて松風を引き止めようとする。「ツテ辿って情報集めてみようか、それがええやろ。任しとき」と押し切って、その後に産婦人科院が燃やされることに。ただ本人が実行犯ではなく、第7話の冒頭で津寺井がカラビナ男に電話をして、「だから話がちがうじゃないかよ、歌のことが大丈夫ってあんたが言ったから。嗅ぎ回る奴が出てくるなんて」と訴え、「染田(酒井敏也)がどうなったか知ってるんだろ? 辿ってみるか染田の道を?」と脅されていたことからも、津寺井が火を点けたという線も考えられる。

 歌を心麦にしたことは赤沢の提案によって行われたが、そこまで起点のきく策士のような人物には見えないし、そこにカラビナ男が絡んでいる可能性がある。あそこまで金儲けにつながる歌を津寺井が手放すとも思えない。彼の手元には財産目録が置かれていたが、歌に入る財産を手に入れるのが条件で手放した、それを企てたのがカラビナ男だったのではないだろうか。それを考えると当時からカラビナ男と赤沢にも駆け引きがあったようにも思える。赤沢が京子に頼んで心麦に渡したお守りに盗聴器かGPSが仕込まれていそうだが、松風たちの動きを知るというよりカラビナ男や事件関係者から守るために渡していたとも考えられる。

 染田の不審死と東賀山事件の記事が書かれ、阿南検事(瀧内公美)から繋がりを漏らすなと叱られ、「辿りつかれるとどうなるのか。小さな火種で森が燃えることもありますから」と釘を刺されていたが、それを聞き入れている時点で赤沢も東賀山事件は冤罪だと分かっていそうだ。そもそも検察と刑事はあそこまで主従関係があるのかも疑問で、何か弱みを握られている、もしくは背景に恐れている人物がいるように思える。

 赤沢がなぜ歌のためにそこまで動いたのか。子供思いというなら友哉(成田凌)に冷たいのが疑問だが、気になったのが、山下夫妻が心麦を迎えたときのビデオ映像で、赤沢の妻・京子(西田尚美)が心麦を抱えて登場し手渡していたこと。赤沢の妻とはいえトップシークレットな案件に介入しすぎだが、一連の策略は京子が考えたものだったらどうだろう。

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