キム・ナムギルの表情変化は百面相を見ている気持ちに  大人の魅力溢れる出演作3選

キム・ナムギルの大人の魅力溢れる出演作3選

 現在、Prime Videoで配信中の『アイランド』で、半分人間半分妖怪のバンを演じるキム・ナムギル。出演作品ごとに繊細にキャラクターを演じ分け、長い足を活かした芸術的な回し蹴りやアクションシーンは何度も観たくなる。また、シーンに合わせて前髪を上げたり下げたり分けたりなど、細やかな変化で印象をガラリと変えるたびについ心を奪われてしまう。本記事では、そんな大人の魅力溢れる実力派俳優キム・ナムギルの出演作をいくつか紹介させていただきたい。

『アイランド』

『アイランド』(tvN公式サイトより)

 『アイランド』は、悪の気運を吸収して姿を形成し、世界を滅亡に向かわせる情炎鬼と戦う人々の物語。過去の悲しい記憶を失った財閥の1人娘ウォン・ミホ(イ・ダヒ)は、なぜか情炎鬼に追われる日々を送っていた。何が自分の身に起きているかも分からないまま混乱する毎日。そんなある日、彼女を覚醒させる使命を持った神父ヨハン(チャ・ウヌ)と、謎の男性バン(キム・ナムギル)と出会い......。

 キム・ナムギルは、半分人間半分情炎鬼の血が流れるバンを演じる。幼き頃に過酷な運命を背負い、傷ついた心を抱えながら生きる設定だ。現代で出会ったミホにご主人様と登録された携帯を無理矢理持たされ、毒きのこ呼ばわりされてイライラしつつも、どこか切なげな目をしながら側で彼女を守っていく。そんな彼のギャップが印象的で、次第に目が離せなくなっていく。ツンツンした性格の中に垣間見える優しさを表現するキム・ナムギルの演技が堪能できるような一作で、臨場感溢れるアクションシーンも見どころの一つ。彼の無駄のない洗練された動きに見惚れてしまう。

『悪の心を読む者たち』

『悪の心を読む者たち』(SBS公式サイトより)

 プロファイラーという言葉が聞き慣れない時代に、膨大なデータと向き合い、犯罪者の心理から行動を読み解きながら事件の真相に迫っていく刑事たちを描いた骨太サスペンス『悪の心を読む者たち』。警察官ソン・ハヨン(キム・ナムギル)が、解決の糸口が見つからないある残忍な事件を追うところから物語は動き始める。一方、鑑識官のクク・ヨンス(チン・ソンギュ)は、プロファイラーの必要性を訴え続けて専門のチームを作ろうと奮闘していた。そして、ハヨンのプロファイラーとしての素質を見出したヨンスは、彼をチームに誘い......。全12話の体感速度は一瞬で、おぞましい事件の数々に震えが止まらない。

 人一倍感受性が強い刑事ハヨンを演じるのが、キム・ナムギルだ。劇中では、喜怒哀楽全ての感情を目だけで物語るような彼の演技が印象的で、一度見ると忘れられない。時に目で怒り、時に涙を浮かべ苦しむ姿は、観ている側も苦しくなるほど。また、犯人の心を覗き込むあまり引きずり込まれて行きそうになる演技が秀逸で、一瞬たりとも見逃せない。キム・ナムギルは本作で第58回百想芸術大賞最優秀演技賞にノミネートされ、2022SBS演技大賞では大賞に輝いた。

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