『罠の戦争』片平なぎさの豹変ぶりに震える 鷲津VS鶴巻派は全面抗争に突入

『罠の戦争』片平なぎさの豹変ぶりに震える

「贖罪? そんなの嘘だ。あなたが守りたいのは総理を目指す自分だけ」

 鷲津の追及に当初こそ人当たりの良いキャラクターを装っていた鴨井は、隠し切れないと悟って本心が徐々にあらわになる。「自分が一番かわいい」「他に女性総理になれる人間いる?」自分こそが弱者や女性たちのために必要という一方的な思い込みは、その実、弱い立場の人々を踏み付けにする力の論理そのものだった。開き直った鴨井は「息子を告発したいならどうぞ。私とは別の人格ですから」と言い放つ。その眼は完全に権力に魅入られた人間のものだった。

 本当に恐ろしいのは人間である。ほんの数分の間に繰り広げられた鴨井の豹変ぶりが、その事実をまざまざと見せつけた。鴨井は時折うつむいたり、見えない角度から鷲津に向き直るのだが、その度に表情が微妙に変化していた。“サスペンスの女王”と称される片平なぎさが、人間の裏の顔を取り出してみせた。草彅も妥協のない芝居でともにすさまじい心理劇を成立させた。

 権力が牙をむくのはその正体を暴かれた時だ。鴨井だけでなく鶴巻も敵に回した鷲津。鶴巻にとって鴨井のスキャンダルを潰すことは造作ないことで、鷲津の仕掛ける罠も簡単に無効化される。昨日までの味方が全員敵に変わっている状況で、鷲津に打つ手はあるのだろうか。

■放送情報
『罠の戦争』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、坂口涼太郎、白鳥晴都、小澤征悦、宮澤エマ、飯田基祐、本田博太郎、田口浩正、玉城裕規、高橋克典、片平なぎさ、岸部一徳ほか
脚本:後藤法子
演出:宝来忠昭
演出・プロデューサー:三宅喜重
プロデューサー:河西秀幸
音楽:菅野祐悟
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan)
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/wana/

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