『舞いあがれ!』ラストに悠人の不正取引疑惑で急展開 第19週「告白」は波乱の予感

『舞いあがれ!』悠人に不正取引疑惑が浮上

 『舞いあがれ!』(NHK総合)にゆっくりと立ち込めていた暗雲が、ついに土砂降りの雨となってしまった。第86話にて、悠人(横山裕)がインサイダー取引をした疑いがあるとテレビで報道されたのだ。

 以前から予兆はあった。投資家としてのパートナー的存在の高橋(マエチャン)が言う「26億の損失を一気に取り戻すとは大逆転だな」のセリフは確信的とも言えるが、めぐみ(永作博美)に一抹の不安がよぎったのは、悠人が株式会社IWAKURAの権利を返却してきたことだった。

 IWAKURAが沈みそうになっているところを工場を買い取ることで会社を、家族を救った悠人。再び経営が軌道に乗ってきたところでオーナーを社長であるめぐみに戻すというのは分からなくもないが、それは今思えばIWAKURAのことを思っての行動とも言える。そもそもインサイダー取引とは、関係者がその立場から知り得た未公表の会社情報を利用して、株式を売買し利益を図ろうとすること。証券取引等監視委員会の機関が常に監視をしており、インサイダー取引は確実にバレるとも言われている。投資家として取材を受けるほどのカリスマである悠人がそのことを知らないわけがなく、彼はこうなることを見越していたのだろう。第19週のタイトルは「告白」。悠人の胸中やいかに。

 第86話では、懐かしい2人が舞(福原遥)のもとを尋ねてきた。それが航空学校時代をともにした同期の水島(佐野弘樹)と吉田(醍醐虎汰朗)だ。“たまたま“が重なり、場所は貴司(赤楚衛二)のいるデラシネにて。水島はスーパー「水島ストア」の副店長に、吉田はパイロットとして副操縦士になっていた。2人は学生時代の頃と全く変わらず。水島は間髪を入れず「舞ちゃんって、貴司さんと付き合ってるの?」と飄々とした態度で聞き、焦りながら水島をたしなめる吉田。「大阪の女の子紹介してよ。お願い!」と舞に頼み込み、出会いを求めて難波に繰り出そうとする水島に、舞がドン引き(福原遥の表情が最高)している様子は、まさしく航空学校時代の空気感だ。

 副店長に、副操縦士に、舞はIWAKURAのプロジェクトリーダー。目標が見えなくなりつつある舞に、話を聞いていた貴司が「舞ちゃんやったら何でもできるよ。目標って今の会社の仕事だけやなくても、ええんちゃうかな」「舞ちゃんの未来はものすごく開けてんねんで」と優しくエールを送る。貴司はいつだって心にかかった霧を晴らすような、前向きな言葉をかけてくれる。

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