2022年アニメ、この公式サイトがすごかった! 勝手にナンバーワンを選ぶ
新型コロナウイルス感染症の影響がまだ濃いなかではありますが、2022年も例年に近い約200本の新作アニメが生まれました。毎日アニメを楽しませてくれて、関係者には頭が下がるばかりです。
さて、アニメに付随する要素としてアニソンや声優さん、あるいは制作者も評価され、スポットライトを浴びる機会はあります。ただ多くのアニメが持っているにもかかわらず、あまり話題にならなくて不思議なのが公式サイト。今やアニメの情報発信の場はTwitterなどのSNSがメインとなりつつあります。しかし情報がまとまっており、さらに作品ごとに工夫が凝らされている公式サイトはアニメファンにとって見ごたえのあるものです。
そこで2022年が終わろうとしているこのタイミングで、今年の新作アニメの公式サイトから特に目を引いたものをいくつかご紹介。多くのアニメが実はこんなにユニークな試みをしていたこと、ご存知でしたか?
まずは基本、本編の理解に役立つコンテンツ
アニメをより楽しむためのコンテンツがあるのは、視聴者にとってありたがたいものです。定番は作品固有の言葉を中心にまとめた用語集。最近では『機動戦士ガンダム 水星の魔女』や『サイバーパンク:エッジランナーズ』などでオーソドックスなものがありました。興味深かったのは『ダンス・ダンス・ダンスール』と『CUE!』。前者ではバレエ用語がときには参考リンクも交えて解説され、後者では本編では触れられないことも含めて作中アニメに関する情報がまとめられています。
用語集以外でも本編のフォローをしているコンテンツはあります。『異世界薬局』は本編に絡めた医学関連の知識をエピソードごとにみっちりと解説し、『ビルディバイド -#FFFFFF-』はカードゲームらしくキャラクターが使用したデッキレシピを公開しています。また中国発の『万聖街』は「ぷちっと翻訳」として本編内で表示された中国語を日本語に翻訳して紹介。なんだか、本編後に中国語講座コーナーのあった『アイドルメモリーズ』を思い出しますよね。
一番美味しい、謎コンテンツ
閑話休題。ここまで紹介したのは直接的に役立つものなので、公式サイトで存在するのは十分に理解できるしありがたいものばかり。ただ作品によっては「そりゃ本編に関係なくはないけど……」と少し戸惑ってしまうコンテンツもあり、すごくいい味を出しています。2022年で熱かったのは料理関連。『アオアシ』はヒロインの花が作った献立表が載っており(ダウンロードも可能!)、『カッコウの許嫁』は美味しい料理を作る妹キャラ・幸によるレシピコーナーを更新していました(ほかのヒロインのコンテンツもとても趣深い)。
極めつけは『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』。同作に登場するアシパラやトマテといった(こちらの世界とは少し名前が違う)野菜などを淡々と紹介しているだけでも妙なおかしみを覚えるのですが、さらに次回予告動画で流れる鳥の鳴き声を当てるクイズが毎週行われており、同作のユニークさを不動のものとした感があります。
ほかにも「お、おう……」となる謎コンテンツはあります。今年を代表する1作である『リコリス・リコイル』は「リコリス筆記試験」というやたらに難しい大量のクイズやすごろく、すごく特殊な千束とのじゃんけん(勝ち方は本編を観よう)とお楽しみ要素が充実しており、『夜は猫といっしょ』は「猫の病気あるある」をまとめたお役立ちコラムがあります。そして『トモダチゲーム』は、文字通り毎週“謎”が出題していました。
またキャストやスタッフのコメントは公式サイトの定番コンテンツですが、個性際立つコメントもありました。忍者を題材にした『忍の一時』には伊賀市の市長や日本忍者協議会、忍者系VTuber声優などが応援コメントを寄せ、『アキバ冥途戦争』は退場したキャラクターの声優さんによる“死亡コメント”を毎週掲載していました。