キム・ゴウンは常に最前線を駆け抜ける デビュー10年で視聴者を虜にした代表作3選

キム・ゴウンは常に最前線を駆け抜ける

『ユミの細胞たち』

『ユミの細胞たち2』(CJ ENM公式サイトより)

 辛い失恋から“愛細胞”を閉じ込めてしまった主人公が、もう一度恋を始める等身大の姿を描いた物語。大韓ククスの会計チームで働くキム・ユミ(キム・ゴウン)は、新たな恋の予感を感じていたが、すぐに失恋してしまう。だが、彼からの紹介でク・ウン(アン・ボヒョン )と会うこととなり……。本作は、主人公ユミと、ユミの細胞たちの何気ない日々を時間の流れとともに描いていく。「お腹が空いて不機嫌」「大好き」「辛い」そんな感情の裏側を、細胞ごとに細かく描いているところが面白いところ。今まで自分でも説明できなかった複雑な感情一つ一つに名前をつけてもらった感覚で、日常のあるあるに共感が止まらなくなる。そして、仕事に、恋に、365日全身を走り回ってくれる細胞たちが愛しくなると思う。リアルとアニメの融合も新鮮で、是非シリーズを通してお楽しみいただきたい(現在はシーズン2まで配信中)。

 本作の主人公を演じるのが、キム・ゴウン。思ったことははっきり伝える性格だが、過去の失恋からもう一度恋愛するのが億劫になっている設定だ。文章を書くのが好きで、密かに小説家の夢を胸に秘めている。劇中では、見えないはずのユミの細胞とキム・ゴウンの演技がぴったりとリンクするのがとにかく素晴らしい。つい世界観に引き込まれ、視聴が止められなくなってしまう理由の一つだと思う。また、ユミの大好物がトッポギなのだが、食べる演技が秀逸すぎる。美味しさに堪えきれず、足をバタバタとさせながら完食する様子は、観ていてお腹が空くこと間違いなし。 

 『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』

『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(tVN公式サイトより)

 不滅の運命を背負う将軍と、その運命から彼を解放する力を持つ女性のファンタジーロマンス。舞台は、高麗時代。戦から戻った将軍キム・シン(コン・ユ)は、王より謀反人の扱いを受け一族と共に殺されてしまう。しかし、神によって愛する人たちの死を見届けるよう不滅の命を与えられ、トッケビとして生きることに。終わりのない人生に終止符を打つ唯一の方法は、胸に刺さった剣を“トッケビの花嫁”に抜いてもらうこと。そこでトッケビは、花嫁を探し、長く孤独な人生を歩み始める。そして時は経ち、自らを花嫁だと名乗るチ・ウンタク(キム・ゴウン)と出会い困惑する彼だったが……。“人は4回生まれ変わる”という世界観を持った作品で、登場人物が今何回目の人生を歩んでいるのかを想像しながら観てしまうような作品だと思う。

 母を亡くし、叔母の元で育てられるも、居場所がなく憂鬱な日々を送っている主人公。それが、キム・ゴウンだ。飾らない自然体な姿が印象的で、「愛してる」と言って笑う笑顔はあまりのかわいさに忘れられない。本作の特にすごいところは、あどけない高校生から大人になるまでを彼女が1人で演じ分けている点。喜怒哀楽どれをとっても月日が経ったことが分かるような繊細な演技に注目いただきたい。

■配信情報
『シスターズ』
Netflixにて配信中
脚本:チョン・ソギョン
監督:キム・ヒウォン
出演:キム・ゴウン、ナム・ジヒョン、パク・ジフ、ウィ・ハジュン
製作:スタジオドラゴン
(写真はtvN公式サイトより)

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