コン・ユ、ナムグン・ミン、パク・ヘスら 世界から熱い視線を集める韓国俳優【40代編】

コン・ユら世界が注目の40代韓国俳優

 『ヴィンチェンツォ』、『賢い医師生活』、『イカゲーム』、さらには『恋慕』など数々のヒット作が誕生し、2021年も日本のみならず世界中で更なる勢いを持って人気を博した韓国ドラマ。緻密な脚本と卓越した演出力はもちろんだが、高い演技力と華やかなビジュアルを誇る俳優たちも、劇に没入させる大きな要素だろう。本記事では、世界も注目する韓国のヒットコンテンツの中心に立つ俳優4人を、おすすめの出演作とともに紹介したい。【40代編】

コン・ユ

『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(tvN公式サイトより)

 ヒットメーカーキム・ウンスク脚本家の『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』を大ヒットに導いたベテラン俳優のコン・ユ。大人の魅力と柔らかい目つきで女心を溶かすロマンス演技はもちろん、多様なフィルモグラフィーで、演技の幅を示してきた。『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『82年生まれ、キム・ジヨン』、『SEOBOK/ソボク』など、近年は主に映画界で活躍してきたが、2021年のラストに公開されたNetflixオリジナル『静かなる海』で約5年ぶりにドラマに本格カムバック。本作は、月にある廃墟と化した研究基地へと向かうエリート研究者たちを描いた、ミステリーSFサスペンス。コン・ユ、ぺ・ドゥナという最強布陣に加え、俳優チョン・ウソンが制作者として参加し、韓国のみならず世界中から視線が注がれている。

『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』

 『愛の不時着』や『ミスター・サンシャイン』など名作揃いのtvNドラマの中でも、圧倒的支持を集めている『トッケビ』。高麗時代に神の力によって不滅の命を与えられてしまった男(トッケビ)が、900年の時を経て、その命を終わらせることができる唯一の存在(トッケビの花嫁)と出会ったことで始まるファンタジーラブロマンス。涙を誘う切ないラブストーリーはもちろんだが、同居生活を送ることになる死神との笑いを誘うブロマンスも見どころだ。コン・ユは、900年以上も不滅の命を生きているトッケビ(キム・シン)役を好演。大切な人々が亡くなっていくのを長い期間ひとりで見送り、孤独に生き続ける悲しみなど、複雑な感情を表現している。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』

 時代劇×ゾンビ斬新な掛け合わせで人気を博した『キングダム』シリーズをはじめ、ゆがんだ人間の欲望が怪物に変異するという新たな設定で世界を席巻した『Sweet Home-俺と世界の絶望-』など、人々を虜にしている韓国のゾンビコンテンツ。そんなゾンビブームの走りとなったのが本作は、時速300キロメートル以上で走行中の高速鉄道の車内を主な舞台として、ゾンビのパンデミックによる恐怖と、それに巻き込まれた人々の人間模様を描く。ゾンビ映画は好き嫌いがはっきりと分かれるジャンルの1つにも関わらず、本作が多くの人々を魅了したのは、ゾンビモノを通じて様々な人間ドラマにフォーカスを当てている点だろう。未曾有の危機にこそ現れる人間の本性がリアルに描かれ、各所で「自分ならどうするだろう」と考えさせられる。本作でコン・ユは、仕事ばかりで家庭を顧みず妻とは別居、娘と距離がある主人公ソグを演じている。自分と娘が生き残る為に自己中心的な行動をしていたが、“人々のため”に体を張って闘うサンファ(マ・ドンソク)をはじめとする周辺の人々の姿に徐々に心を動かされていく。危機に直面した際の、人間の泥臭い一面を巧みに表現しながらも、正義感と父親愛、人間らしさを取り戻していく表情演技は必見だ。

ナムグン・ミン

『黒い太陽』(MBC公式サイトより)

 かつて冬ソナで日本で一大韓流ブームを巻き起こしたヨン様ことペ・ヨンジュンに似たルックスで「リトルペ・ヨンジュン」と呼ばれたこともあった彼だが、2019年は『ドクター・プリズナー』、『ストーブリーグ』、2020年は『昼と夜』、2021年は大作『黒い太陽』とヒット作を飛ばし、今勢いが止まらない俳優の一人だ。まだ次のドラマ決定の話題は聞こえてこないが、今年もこの勢いのまま爆走してくれるはず。そんな彼の魅力にどっぷりハマる主演作を紹介したい。

『ストーブリーグ』

 野球の知識はないものの、これまで数多くのスポーツチームを優勝に導いてきた“優勝請負人”のゼネラルマネージャーが、万年最下位のプロ野球チームを立て直していく胸熱お仕事ドラマ。“スポーツドラマはヒットしない”という概念を打ち破り、日本では話題になっていないが、『愛の不時着』など並み居る競合を抑え、20年「百想芸術大賞」で「作品賞」を受賞した隠れた名作だ。本作は、よくあるプレイ中心のスポ根ドラマではなく、運営チーム、分析チームといった“裏方スタッフ”たちの奮闘を描いた「組織改革物語」。経費の削減、上層部からの圧など、スポーツ団の運営のみならず、そこには社会で働く人なら思わず共感してしまうあるあるが詰まっている。常に冷徹で論理的にチームを分析しながらも、人間味溢れるペク・スンス団長を演じたナムグン・ミン。スンス団長が腐った組織にメスを入れていく様はスカッと痛快であると同時に、次々と逆境に立ち向かう姿には感動し拍手を贈りたくなる。本音を表さない彼がポロッと放つ名台詞の数々には胸が熱くなるはずだ。

『ドクタープリズナー』

 大学病院に勤務する外科医がある壮大な復讐のために、刑務所の医師=ドクタープリズナーになるという復讐劇。天才外科医が繰り広げる頭脳戦、心理戦が話題になり、KBS演技大賞5冠、「ソウルドラマアワード」韓流ドラマ優秀作品賞を受賞するなど、本国で話題をさらった。ナムグン・ミン演じる外科医のイジェはとにかく頭がキレる人物。スーツ姿でバシッとキメ、いつも血まみれで狂気の表情を浮かべているが、怒りと悲しみをを内に秘めたその孤独な姿がどこかセクシーで、大人の魅力を爆発させている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる