乃木坂46卒業生、なぜ舞台・ドラマ出演作が途切れない? 土台となった『プリンシパル』

乃木坂46卒業生、俳優としての強み

 1期生・2期生を主体とした『プリンシパル』シリーズは、『16人のプリンシパル deux』『16人のプリンシパル trois』と続いていくが、そこですでに俳優としての実力を遺憾無く発揮していたのが生田だった。人気投票と化していた1作目から演じたい役に立候補するシステムに変更された『deux』からは“10役制覇”という概念が生まれ、生田だけでなく、西野や白石、深川、井上、若月佑美がこの10役制覇を成し遂げている。『trois』の脚本・演出を担当していたのは福田雄一。後に若月は“福田組”の一員として、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)シリーズに出演することとなる。

西野七瀬『あさひなぐ』は乃木坂46を“苦悩”から救う? 『悲しみの忘れ方~』との関係を読む

西野七瀬や白石麻衣など、乃木坂46のエース級メンバーが多数出演し話題となっている映画『あさひなぐ』(英勉監督)が、近年のアイドル…

 乃木坂46にはほかにも伊藤万理華の代表作『まりっか’17』を生んだ著名な映像監督が多く制作を担当する「個人PV」、西野が主演の一人を務めたドラマ『初森ベマーズ』(テレビ東京)、映画『あさひなぐ』といった多くの映像コンテンツがある。ただ、それらは言い換えれば「アイドル映画」「アイドル舞台」として観られている事実もある。重要なのはそこをきっかけに、いかにして“外仕事”を掴むかだ。

 『プリンシパル』の時点から俳優としての実力が認められていた生田は、グループ在籍時から『レ・ミゼラブル』や『ロミオ&ジュリエット』といった本格ミュージカルに出演。多忙の中、乃木坂46としての活動もこなす生田をメンバーやファンは“鉄人”と呼ぶほどだった。フィールドは違えど、白石や西野も乃木坂46の活動と並行して早くから俳優デビューをしていたメンバー。始めのうちはアイドル扱いされるのは当然であり、そこから評価される演技や役柄に到達するまでひたすら作品を積み重ねていくしかない。2023年に全世界独占配信されるNetflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』のヒロインを演じる白石、映画『恋は光』でヒロインの一人として好演を見せた西野を“アイドル俳優”として揶揄する者はもういないだろう。

 『プリンシパル』シリーズの歴史は乃木坂46の5期生から、一旦その幕は閉ざされたままとなっている。だが、『3人のプリンシパル』として舞台を経験した3期生からはすでに俳優として目覚ましい活躍を見せているメンバーが多くいる。もうすぐオンエアとなる朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)でヒロイン・福原遥の幼なじみ役を演じる山下美月、2023年2月より上演の舞台『キングダム』に出演する梅澤美波がその好例だ。乃木坂46出身のメンバーが新作の映画やドラマに多く名を連ねるといった今の状況は、この先も長く続いていきそうだ。

『量産型リコ』主演の与田祐希に山下美月、久保史緒里も 俳優業で羽ばたく乃木坂46 3期生

先日、西野七瀬が出演している映画『恋は光』を観た。俳優としての西野七瀬という存在を世に知らしめた『あなたの番です』(日本テレビ系…

■放送情報
『テッパチ!』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:町田啓太、佐野勇斗、白石麻衣、北村一輝/佐藤寛太、時任勇気、一ノ瀬颯、坂口涼太郎、池田永吉、藤岡真威人(第1部)/工藤阿須加、桐山漣、久保田悠来、結木滉星、水沢林太郎(第2部)ほか
5話ゲスト:坂東 希、山本千尋、柏原収史
脚本:本田隆朗、関えり香、諸橋隼人
企画:渡辺恒也、江花松樹
企画・プロデュース:栗原美和子(共同テレビ)
プロデューサー:山崎淳子(共同テレビ)
演出:石川淳一(共同テレビ)、根本和政
制作協力:共同テレビ
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/teppachi/
公式Twitter:@teppachi_8
公式Instagram:@teppachi_8_

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる