北野日奈子に聞く、乃木坂46に在籍した9年間とこれからのこと 「本当に世界が広がった」
4月30日に乃木坂46を卒業した北野日奈子が、卒業後初の女優業として舞台『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』にヒロインの小夏役で出演する。グループ卒業から2カ月経った現在の心境から、大役に挑む舞台への意気込み、そして乃木坂46への思いまでを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「この道を真っ直ぐにちゃんと走っていきたい」
――現在稽古中だそうですが、いかがですか?
北野日奈子(以下、北野):稽古がスタートして10日目ぐらいなんですけど、ものすごく大変です! 最初は緊張して音も出せなかったぐらいだったんですけど、ようやく笑えるようになってきました(笑)。
――舞台に出演されるのは5年ぶりくらいですよね。しかもつかこうへんさんの名作『蒲田行進曲』です。
北野:いや~ほんとに……。最初にお話をいただいたとき、すごくありがたい気持ちはあったんですけど、それよりも自分に担えるものではないなというプレッシャーが大きくて。毎日眠れなかったぐらいです。
――過去の舞台では根岸季衣さんや小西真奈美さん、黒谷友香さんが演じてきたヒロイン・小夏の役作りはいかがですか?
北野:自分自身の考えだけだと、小夏さんに足りていない部分があまりにも多すぎて……。なので、演出の岡村(俊一)さんにアドバイスをいただいて、ようやく台詞の意味が理解できる部分も結構あったりします。そういう基本的なところを教えてくれる環境もすごくありがたいなと思います。でも、自分自身は女であるはずなんですけど、小夏さんを演じていると自分の中には女心が皆無だということに気づきました(笑)。小夏さんを演じることによって、やっと私にも女心が芽生えるのかなと思うと楽しみです。
――自分とは程遠い?
北野:全く違うんじゃないかなと思います。色気とかもいまの自分には全然ないんですけど、本番までに小夏さんになんとか近づけられるように頑張りたいです。
――小夏役は以前、北野さんと同じく乃木坂46で活躍されていた井上小百合さんも朗読劇で演じられていましたよね。
北野:そうなんですよ。井上さんはグループ時代の先輩なんですけど、すごく仲良くさせてもらっていて。なので今回の舞台の情報が発表される前に、私のほうから連絡しました。実際に朗読劇も映像で観させてもらったのですが、私の知らない井上さんがそこにいて、「うわ、すごい!」と思いました。井上さんが繋いでくださったバトンでもあるので、「私もまた繋げられるように頑張りたいです」と言ったら、「いやぁ、小夏はすごいよ」って(笑)。「のめり込みすぎると自分自身も気が滅入ってしまうから気をつけて」というアドバイスをいただきました。
――北野さんは4月に乃木坂46を卒業されてからまだ2カ月ほどですが、卒業した実感は芽生えてきましたか?
北野:卒業してから1週間ぐらいは達成感がすごくて、しばらくは本当にふわふわしていて(笑)。「あ、1人ってこういうことなんだ」と実感しました。その時間が長かったらすごく寂しい気持ちになっていたと思うんですけど、ありがたいことに今回の舞台の稽古が始まったので、新しい出会いに幸せな気持ちになりましたし、共演者の皆さんと一緒に舞台に立てることに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
――先日、北野さんと同期の山崎怜奈さんの卒業も発表されましたよね。
北野:卒業すること自体は私も事前に知っていたんですけど、私の誕生日(7月17日)に卒業するんだ!って(笑)。私自身も卒業した身ではあるんですけど、渡辺みり愛や(伊藤)純奈が舞台ですごく活躍していたり、まいちゅん(新内眞衣)もラジオを続けてやっていたり、みんなそれぞれの分野で活躍しているのがすごく励みになるというか、勇気をもらえるんですよね。そういう同期だったり、卒業した先輩の活躍を見ると、私も頑張ろうって思えます。
――これからは北野さんが勇気を与える側になりますね。
北野:でも私は、何かやりたいことやなりたいものがあって、そこを目指すために卒業していったみんなとは違って、自分の中でやるべきことを終えて満足したから卒業を決めたので……(笑)。でも今後、私と同じような道を進みたいと思うような後輩がいるかもしれないので、ちゃんとそういう道を築いておいてあげれるように、この道を真っ直ぐにちゃんと走っていきたいなと思います。