伊藤英明に裏切られっぱなしの近年 『初恋の悪魔』警察署長・雪松も“ヤバイ”やつ?

伊藤英明、「ヤバイ」やつ演じるのが定番化?

 そんな肉体派の30代を過ごした伊藤だったが、ドラマでは坂口憲二とともに刑事を演じた『ダブルス〜二人の刑事』(テレビ朝日系)や、山下智久と北川景子と共演し、少し年上の男性コーチとしての立ち位置で『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』(フジテレビ系)に出演。男らしさとともに、年齢を兼ね備えた演技に磨きをかけた年代であった。

 そして2010年代、40代を迎える伊藤は、サスペンス要素の強い作品にも多く出演している印象が強い。『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)では、『ゴーン・ガール』を彷彿とさせるストーリーで、妻が消えた謎に迫る夫役を演じている。側から見ると、夫婦仲の良い二人に見えたが、実は伊藤が演じる幸平の方が「ヤバイ」やつだったと分かる時、思わず裏切られたような気持ちになる演技は圧巻だった。また、『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』では、22年前の殺人事件の真相を追う刑事役で、藤原竜也とタッグを組んでいる。こちらもシリアスな演技で、かつどんでん返しがあり、再び裏切られる。

『初恋の悪魔』(c)日本テレビ

 昨年は、司馬遼太郎原作の『燃えよ剣』で芹沢鴨を演じたことが記憶に新しい。岡田准一演じる土方歳三との決闘シーンでは、一つ一つのアクションが力強く、思わず息を呑んだ。一方で、シリアスな演技だけでなく、40代になってもふざけ倒しているところも伊藤らしい。『KAPPEI カッペイ』では、アニメからそのまま出てきたような髪型と格好でありながら、心底本気で演技に臨んでいる。『初恋の悪魔』でも、少しおふざけが入っているように、サスペンスもコメディもホラーも、うまく演じ分けられてしまう俳優だ。

 47歳の今、SNSでもありのままの自分を表現することでも新たな一面を見せてくれている。今後、50歳を迎えてからはどのような役柄を演じ、進み続けていくのか期待が高まるばかりだ。

■放送情報
『初恋の悪魔』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、安田顕、田中裕子、伊藤英明、毎熊克哉
脚本:坂元裕二
演出:水田伸生ほか
プロデューサー:次屋尚ほか
チーフプロデューサー:三上絵里子
制作協力:ザ・ワークス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/hatsukoinoakuma/
公式Twitter:@hatsukoinoakuma
公式Instagram:@hatsukoinoakuma_ntv

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