平野紫耀、永瀬廉ともまた違う? 『ドラゴン桜』『みらてん』を経た高橋海人に感じる未来

 アイドルとして絶大な人気を博す一方で、俳優としても大躍進を続ける高橋海人。出演した『未来への10カウント』(テレビ朝日系/以下『みらてん』)では先輩の木村拓哉を中心に同世代の若手俳優たちとともに熱きドラマを展開させ、同作は好評のうちに幕を閉じた。彼の好演による貢献度は間違いなく大きなものだっただろう。しかしながらそれは、当初想定していたものとは違うものだったのもまた事実。本作で高橋は、意外な役どころをまっとうしていたといえるのではないだろうか。

 『みらてん』で高橋が演じた伊庭海斗は、弱小ボクシング部の部長だった。いや、「弱小」どころか指導者が不在だったため、本格的なトレーニングを積んでいる者からすれば、彼らのは“ボクシングごっこ”に過ぎないものだっただろう。そんなボクシング部に木村演じる桐沢祥吾がコーチとしてやってきて、仲間同士で切磋琢磨し合い、成長して強くなっていく物語に期待が高まった。そしてこれを高橋海人=伊庭海斗がリーダーとして、どのように率いていくのかにも期待が高まっていった。ところがこのフォーメーションは、ドラマの中盤にさしかかる前に変わったのだ。

 最終話で「俺の青春はリングの上だったーー」と伊庭が口にしているように、彼がボクサーだったのは過去のこと。伊庭はまさかの第4話でリングから降りたのだ。ボクシングドラマでボクシングをしないキャラクターがいるのは何ら不思議ではない。しかし、木村主演のボクシングドラマで、直属の後輩である高橋がボクシングをしないことになるというのは驚きだった。第5話以降はボクシング部の後輩メンバーや主人公・桐沢の周辺によりフォーカスし、伊庭は少々、影が薄かったといえるのではないだろうか。つまり、「ちょっと地味だった」と。

 そんな伊庭にもっともフォーカスしたのが第4話。ボクシングへの情熱をたぎらせていた彼は桐沢との出会いにより、ひたむきにトレーニングに励んだ末、いちボクサーとして本格的にリングに立てるまでに。そしてこの回には物語的にギミックがあった。そう、この回のハイライトとなった、マネージャーの西山愛(吉柳咲良)に向けて「リングの中心で愛を叫ぶ」というくだりだ。ここでの伊庭のリング上にて一所懸命に敵に向かっていく姿と愛の叫び、悔しくも試合に負け、あっさりとフラれてしまうさまは視聴者の笑いと涙を同時に誘うものであり、演じる高橋は“何かに向かって無我夢中になる姿”を全身全霊をかけて体現していたと思う。そしてこれ以降は受験生として東大を目指すために部を引退し、部室には顔を出すものの、すっかり影が薄くなってしまっていたのである。



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