高橋海人の奮闘に思わず「ナイスファイト!』 『未来への10カウント』2つの三角関係
木村拓哉が主演を務める連続ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系)第4話は、松葉台高校ボクシング部のインターハイ予選までの1カ月が描かれる。スポットライトが当たるのは、部長の伊庭海斗(高橋海人)。部活引退がかかった最初で最後のインターハイ予選であり、彼の本当の目的は「リングの中心で“西山愛”と叫ぶ」ことだった。
ボクシング部では伊庭と2年の玉乃井竜也(坂東龍汰)による、マネージャーの西山愛(吉柳咲良)を巡っての恋の三角形が勃発。桐沢(木村拓哉)のサポートのもと、伊庭は必死に身体と技術を仕上げてきた。1ラウンド2分、それが3ラウンド制の高校生のアマチュアボクシング。桐沢の作戦は“努力する才能”のある伊庭に練習させるように指示させた、ジャブからの右ストレート「ワンツー」のみで2ラウンド目までを耐え、油断して隙を見せた相手に右フック、左ボディーからの右フック「ダンッダダンッ!」を浴びせるというものだ。
引きつった表情で緊張の色が隠せなかった伊庭は確実にワンツーを決めポイントを獲得していくものの、スリップしてしまったりとかなり体力が底をついたまま最終ラウンドへ。“愛の力”も手伝い、伊庭は桐沢(もともとは甲斐(安田顕)なのだが)に伝授されたフックを相手に食らわせる。番組の公式Twitterでツイートされているように、演じる高橋海人はハードな撮影も、それに向けた練習も、全力で取り組み乗り越えてきた。そのことは第1話での桐沢とのスパーリングから格段に成長した機敏な動きが全てを物語っている。ゴングが鳴り、レフェリーがストップをかける中、最後の力を振り絞ってコーナーに戻っていく伊庭。演技と言ってしまえばそれまでなのだが、「ナイスファイト!」と言いたくもなる必死な表情を高橋は浮かべている。
試合の結果は、ポイント判定で敗北を喫することになった。ただ、伊庭としてはここからが本当の勝負が待っていた。そう、西山への愛の告白だ。桐沢に背中を押され、伊庭はリングの中央へ。その思いを知っている折原(満島ひかり)は「フフッ」とニヤけが止まらない様子(さりげに桐沢も)。体育館にいる全員が目撃者となり、固唾を飲んで見守る中、西山の返事はまさかの「ごめんなさい」。玉乃井に至っては告白すらさせてもらえない、西山の“ガン飛ばし”という鉄壁のガードが炸裂する。
試合の後、桐沢と伊庭が2人きりで(折原が聞き耳を立てながら)話している途中の、伊庭が恋の悩みから解放された顔も印象的だ。改めてだが、ボクシング部部長の伊庭は高校3年生。心置きなく受験に専念し、東大を目指すことを宣言する。高橋が出演していた『ドラゴン桜』(TBS系)を意識した遊び心溢れる演出と考えて間違いはないだろう。そして、今回を持って伊庭はボクシング部を引退。今後もストーリーには出てくるようではあるが、実質的にこの第4話が伊庭の最大の見せ場であろう。