『金田一少年の事件簿』登場人物たちのドラマが強化 道枝駿佑と沢村一樹の掛け合いも

『金田一』登場人物のドラマが強化

 6月19日に放送された『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系/以下『金田一』)第8話。その原作は、堂本剛主演の“初代”でドラマ化された際に「首無し村殺人事件」と改題された「飛騨からくり屋敷殺人事件」。実在の地名が使われていることやロケ地などの都合もあったといわれているが、この“5代目”での再ドラマ化に際しても「首狩り武者殺人事件」とまたしても改題されることになったのはもはや宿命であろう。

 もっとも、第5話で「亡霊学校殺人事件」が「トイレの花子さん殺人事件」に改題されたのと同様に、シチュエーション的な違いもないとはいいきれない。回転扉、回すと外れる格子以外に“からくり屋敷”と称するだけの目立ったギミックはなく(今回はかろうじて鍵の置き場がそれらしくもあったが)、それに加え“怪異”な存在を全面に押し出す5代目のテイストを踏まえれば必然ともいえる。

 剣持(沢村一樹)の幼なじみで由緒ある巽家の後妻となった紫乃(仙道敦子)のもとに脅迫状が届き、一(道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)は剣持に連れられて“くちなし村”へと向かう。巽家では先代の当主が亡くなり、紫乃の連れ子・征丸(福山翔太)に家を継がせるという遺書が遺されていたことから先妻の子である龍之介(吉村界人)との間に諍いが生じていた。“首狩り武者”を名乗る者から送られてきた脅迫状の内容は次の当主=征丸の首を狙うということ。そんななか、黒頭巾の男・赤沼から呼び出された一は、“合わせ扉の間”で首のない死体を発見するのである。

 顔を隠した、見るからに怪しい人物の登場(そしてその人物が早々に殺されること)に、疑わしい人物の行方がわからなくなり、その後に殺されているのがわかること。地方にある由緒ある名家を舞台にした跡目争いが根底にあるなど、第4話でドラマ化された「白蛇蔵殺人事件」と重なる部分が多々あるこの事件。それでも“初代”の時にははじめと剣持が互いを「おっさん」「はじめ」と呼び合うきっかけになる重要なエピソードでもあり、すでにそう呼び合っている今回においても、剣持をフィーチャーする回として確かに機能する。

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