6月19日は“綿流し”の日! 『ひぐらしのなく頃に』誕生から20年の節目に魅力を再考

 また本作は「出題編」と「解答編」で構成されており、前者では惨劇が繰り返され、後者ではその惨劇がなぜ起きたか、惨劇を回避するためにはどうすれば良かったのかが明かされる。一方で、「出題編」には随所に真相を解き明かすヒントや伏線が散りばめられているため、それを元に“考察”を楽しめる作品となっているのだ。そしてまた、圭一たちも真実にたどり着き、惨劇を回避すべく仲間と共に奮闘する彼らの姿が物語終盤で描かれていくことになる。

 ネタバレを避けつつ明言するのであれば、ここで重要になってくるのが「仲間や自分を信じる」こと。大切な人を信じられなくなったり、嘘を重ねてしまったり、疑心暗鬼に囚われた結果が悲劇を生む一つの要因になることを本作は描いていた。惨劇の恐ろしさや真相を解き明かす考察に散々気を取られたあと、私たちは物語の序盤で映し出される圭一たちの友情の物語に戻ってくる。

 ゲーム版の『ひぐらしのなく頃に』第1作目が発表されてから、今年で20年。今なお、ファンの心を掴んでやまない、「日常」と「恐怖」が隣り合わせのストーリーを“綿流しの日”である今夜は改めて楽しみたい。

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