6月19日は“綿流し”の日! 『ひぐらしのなく頃に』誕生から20年の節目に魅力を再考

 6月19日。この日付に、アニメ好きの人なら何かピンと来るかもしれない。同人ゲームからアニメ、漫画、実写映画へと様々にメディア展開された『ひぐらしのなく頃に』の作中で重要な“綿流しの日”だ。

 『ひぐらしのなく頃に』シリーズは、竜騎士07が代表を務める同人サークル「07th Expansion」が2002年から発表したサウンドノベルゲームを原作とするメディアミックス作品。昭和58年の寂れた架空の村落・雛見沢村を舞台に、毎年6月に行われる“綿流しの日”に起こる謎の連続怪死事件に少年少女たちが巻き込まれていくホラーミステリーだ。

 この作品は2006年〜2013年にかけてテレビシリーズとOVAでアニメ化され、一躍有名に。さらに2020年から2021年まで、7年ぶりの新作アニメとして『ひぐらしのなく頃に 業・卒』が放送されて話題となった。なおニコニコ生放送では、5月28日より“綿流しの日”に向けてアニメシリーズの一挙放送企画が行われているほか、当日はアニメの声優陣が登壇する公式イベント「綿流し祭2022」が開催されるなど、盛り上がりを見せている。そんな本作の魅力を改めて振り返ってみたい。

 物語は、都会から雛見沢村に主人公・前原圭一が引っ越してくるところから始まる。そこでレナ、魅音、沙都子、梨花という4人の少女に出会う圭一。可愛らしい絵柄で描かれる彼女たちは天然だったり、ツンデレだったり、いわゆる“萌え系”の魅力あるキャラクターだ。そんな4人と圭一が交流を深めていく平和な日常が映し出され、はじめはアニメ『のんのんびより』のように長閑な田舎を舞台としたほのぼのストーリーだと錯覚してしまう。

 しかし、圭一が過去に村で起きた陰惨な未解決事件の噂を耳にしてしまったことで事態は一変。5年前の“綿流しの日”を境に、一人が死に、一人が消える怪奇事件が毎年起きるようになり、村では雛見沢村に祀られる神・オヤシロ様の祟りとして畏れられている事実を知ることに。信頼していた仲間の豹変。突如として訪れる惨劇がグロテスクに描かれ、度肝を抜かれる。まず、日常パートとのギャップが視聴者を作品世界へ引き込んでいくのだ。

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