『パンドラの果実』岸井ゆきのが経験した“超えてはならない一線” パートナーの死の真実は

『パンドラの果実』超えてはならない一線

 3年前に最上(岸井ゆきの)が経験した、科学の「超えてはならない一線」。『パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜』(日本テレビ系)の第5話では、その詳細が明らかになった。

 最上の研究パートナーだった速水(栗山千明)が死亡した。35歳にもかかわらず、死因は老衰。監視カメラには、倒れるなりみるみる老化していく速水の様子が映し出されていた。

 「(速水のことを)しわくちゃとか言って悪かったな」。失言を謝罪し、最上に解剖前に会っておいたほうがいいと声をかける長谷部(ユースケ・サンタマリア)は、彼女を元気づけるべく、美味しいものを食べさせてはどうかと小比類巻(ディーン・フジオカ)に提案する。長谷部の正直さや優しさは、視聴者にとっての癒しになりつつある。

 速水の遺体から発見された「プロメテウスウイルス」こそ、最上が科学界を去ったきっかけだった。老化を止める作用を持ち、3年前の最上にとっては「科学の光」と呼べる存在だったウイルス。興味を抑えられない様子で耳を傾ける小比類巻だったが、その結末は「深い闇」。ある日、プロメテウスウイルスに感染したサルが共食いを始めた。生命活動を維持するために要する膨大なエネルギーを、仲間を食うことで補ったのだ。この出来事により、自身らがパンドラの箱を開きかけていることに気が付いた最上は、ウイルスを処分し、科学から距離を置いた。

 第3話で最上は、死者が再び起き上がり歩き出す様子を、研究者・安田(華優希)にあえて見せた。悪意はなく偶発的とはいえ、自身が生み出したものを科学者は知るべきだと言った。自然界に存在しないものを生み出す行為は、たとえば神だとか倫理だとか、「なんらか」に抗うということ。それは功績にもなり得るし、脅威にもなり得る。科学の光も闇も知っておくべきだと、3年前の自分を重ねて思ったのかもしれない。

 速水の不審な死は、プロメテウスウイルスの変異株が原因だった。偶然(とは言えないかもしれないが)が重なり、さらなる死者も出た。なぜ速水は、危険を知りつつウイルスの研究を続けていたのか。速水が使用していた研究室に、彼女の研究経過を収めた映像が残されていた。

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