『ドクターホワイト』岡崎紗絵はもう1人のヒロイン 特別編で示したキャストの充実ぶり

『ドクターホワイト』キャストの充実ぶり光る

 禁断の生い立ちを背負った白夜(浜辺美波)が、高森総合病院で誤診を正す『ドクターホワイト』(カンテレ・フジテレビ系)特別編が3月28日に放送された。最終話で自身と同じDNAと血液を持つ姉・朝絵(浜辺美波)の治療法を見つけると誓った白夜は、医大合格を目指して受験勉強に取り組む。

ドクターホワイト

 院長になった真壁(小手伸也)を追った『セブンルール』(カンテレ・フジテレビ系)風の密着ドキュメンタリーに始まり、大学共通テストを翌日に控えた白夜への古文と漢文の集中講義では、おなじみCDTメンバーが息の合った寸劇を披露。さらに、晴汝(岡崎紗絵)と淳平(宮田俊哉)のラブロマンスまで盛りだくさんだった。合間に各話の印象的な場面も挿入され、総集編としても楽しむことのできる内容だった。医療ドラマにミステリー要素を絡めた本作は元々スピンオフ要素も多く、こうして本編終了後に特別編が制作されるのも納得だ。

 ロマンス要素が薄めの『ドクターホワイト』で持ち越しになっていたのが、晴汝と淳平のその後だ。それとなく晴汝に好意を寄せていた淳平がついに告白したのが最終話。直後に晴汝が脳動脈瘤で倒れて、その場限りになってしまったが、ちゃんとその後の展開もあった。病気を経験した晴汝は淳平の存在をより身近に感じるようになり、カップルで高森総合病院を訪問。淳平は身体に異変を感じて、念のためにと受診したのだった。白夜の勉強にかかりきりの夏樹(勝地涼)や西島(片桐仁)に代わって、当直の佐久間(高橋文哉)が淳平を診察する。診断結果は心筋梗塞だったが、ここで白夜がおなじみの「誤診です」を発する。

ドクターホワイト

 常人離れした能力を持つ白夜が受験勉強になった途端、無力化するのがなんともおかしい。特に古文と漢文は「春はあけぼの、夏は?」と聞かれて「プール」と答える壊滅的なレベル。完全無欠だと思っていた人の意外な弱点を見せられて、親近感を感じたことはないだろうか。それまで距離を感じていた相手が、自分と同じような存在であると知って心理的な距離が近づく。欠点や短所がキャラクターの魅力をいっそう引き立てる。人間らしい感情を取り戻した白夜のゴールが、完璧ではないゆえにパーフェクトな人間らしさだったことは示唆的である。

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