菅田将暉の源義経から目を離すな！　『鎌倉殿の13人』では“悲劇の天才”にならない？

　義経と血の繋がりがあるのは、頼朝だけではない。既にひと足早く頼朝の元に馳せ参じ、今はその側近となっている義経の同母兄・阿野全成（新納慎也）、そして間もなく登場するであろう義経の異母兄・範頼（迫田孝也）といった兄弟たちは、彼にどんな態度を示すのだろうか。そして、忘れてはならないのは、先ごろ大庭景親（國村隼）の元を離れ、頼朝に与することを決めた梶原景時（中村獅童）の存在だ。やがて、頼朝・義経兄弟のあいだに立ち、文字通りその命運を担う重要な存在となっていく景時は、ひとりの武将として、義経の「戦い方」に、一体何を思うのだろうか。

　さらに言うならば、結果的に誰よりも「大局」を見据えた人物へと、やがて成長していくことになるであろう本作の主人公・北条義時（小栗旬）は、ある種の「風雲児」である義経の登場によって劇的に動いていく情勢と、それによって大いに複雑さを増していく人間模様を、どんなふうに眺め、いかなる判断を自らの中で下していくのだろうか。

　いずれにせよ、今後しばらくは、菅田義経が、どこで誰と会い、その言動によって、良くも悪くも相手に対して、どんな感情をもたらせていくのか――それが本作の大きな見どころになっていくのだろう。まさしく、その一挙手一投足から目が離せない、超重要キャラクターの登場だ。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00～放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00～放送
主演：小栗旬
脚本：三谷幸喜
制作統括：清水拓哉、尾崎裕和
演出：吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー：長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供＝NHK