『リボーン』『リブート』『ブラッシュアップライフ』 実写ドラマで“転生もの”急増の背景とは

高橋一生主演の『リボーン ~最後のヒーロー~』(以下、リボーン/テレビ朝日系)が放送中。さらに1月期には『リブート』(TBS系)も注目を集めるなど、近年は実写ドラマの領域でも“転生”や“人生のやり直し”を題材にした作品が増えつつある。主人公が別人として新たな人生を歩む、あるいは過去へ戻って人生をやり直す――こうした設定は、もともと小説やゲーム、ライトノベル、アニメの中で独自の発展を遂げ、多くのファンを獲得してきたジャンルだ。なぜ今、その文脈が実写ドラマへ波及しているのか。平成ノスタルジーとの関係性、そして日本ドラマならではの“転生もの”の特徴について、ドラマ評論家の成馬零一氏に話を聞いた。
“平成リバイバル”がドラマで定番化

成馬氏はまず、「同じ“転生もの”として語られていますが、『リボーン』と『リブート』は実はかなりアプローチが異なる作品です」と整理する。
「『リボーン』は過去に戻って人生をやり直す時間SF的な作品。一方、『リブート』は“別の人間として新しい人生を生きる”物語で、似ているようでジャンル的には異なり、どちらかというと潜入スパイものに近いですよね。ただ、どちらにも共通しているのは、“人生をやり直したい”という感覚だと思います。転生もののドラマの主流は『リボーン』のほうで同じ時間をやり直すタイムリープ型ですが、近過去を舞台にすることで、視聴者自身の記憶や体験と結びつく近過去を追体験できる面白さが魅力だと言えます」
その背景には、近年のドラマシーンにおける平成ノスタルジーの広がりもあるという。
「ここ数年、ドラマでは“平成リバイバル”が定番化している印象があります。平成までは昭和ノスタルジーが主流で、TBSの日曜劇場で『砂の器』や『華麗なる一族』といった昭和の名作のリメイクが流行しました。ですが、令和になったことで、今度は平成を懐かしむ感覚が本格的に立ち上がってきたように感じます。最近は30代のクリエイターがドラマ制作の中心に入ってきているので、2000年代や2010年代前半の平成カルチャーを懐かしむ感覚が自然と作品に反映されるのかもしれません。彼ら自身の青春時代を描けるようになったというか、自分たちだけの懐かしさを武器にできる時代になりつつある。転生ものや近過去が舞台のドラマが増えている背景には、そうした世代感覚もあると思います」
転生ものの源流は80〜90年代カルチャーに
では、そもそも転生ものは、なぜここまで日本のエンタメに定着していったのか。成馬氏は、その源流には1980〜1990年代のアニメやゲームがあると指摘する。
「輪廻転生的な発想を取り入れた物語は昔からあって、『ぼくの地球を守って』や『美少女戦士セーラームーン』、人気RPG『真・女神転生』シリーズの元となった小説『デジタル・デビルストーリー 女神転生』などもそうですよね。神話の神様や歴史上の人物が現代に転生して学園生活を送るという作品も昔からたくさんあります。ただ、当時は過去(前世)から現代へ来る物語が中心でした。一方、近年の転生ものは、現代から異世界へ行くとか、過去へ戻るというパターンが多い。つまり、現代から離れる物語なんですよね。そこには、現代を生きることのしんどさみたいな感覚も反映されている気がします」

また成馬氏は、現在の転生ブームをループものやゲーム文化の延長線上にあるものだと分析する。
「坂元裕二さんの『ファーストキス 1ST KISS』のように、同じ時間を繰り返すループものがありますよね。もともとは『リプレイ』などのSF小説のアイデアだったと思うのですが、現在の転生ものはそこから派生した要素が大きいと思います。特にゲーム文化の影響は大きくて、今のゲームはマルチエンディングが当たり前になっていますよね。1周目のプレイでエンディングを迎えた後、2周目、3周目とプレイして、全部のルートをクリアした先にトゥルーエンドがある。そういった“選択肢をやり直す”感覚が物語の楽しみ方として定着したのかもしれません。同じ時間を延々と繰り返すという感覚は、かつてはSFで描かれた複雑な概念でしたが、今はゲームを経由したことで、誰もが理解できる身近な感覚として共有されていて、だから青春映画や恋愛映画でもポピュラーな設定として採用されているのだと思います」






















