『カムカムエヴリバディ』モモケンには“裏の顔”があるのか 久々の「たちばな」再登場も

『カムカム』モモケン“裏の顔”の噂

 “モモケン”こと、初代桃山剣之介(尾上菊之助)の遺作『妖術七変化 隠れ里の決闘』が再び映画化されることになった。同作といえば、評論家からは「日本映画史上稀に見る駄作」と酷評されながらも錠一郎(オダギリジョー)の心を動かし、コンテスト優勝のヒントを与えた映画だ。

 ご存知の通り、結果的に錠一郎はトランペットを吹けなくなってしまったが、そのことが却ってるい(深津絵里)との絆を深めたのだから、ひなた(川栄李奈)誕生のきっかけになったとも言える。そんな大月家の歴史を語る上で欠かせない作品が二代目桃山剣之介主演でリメイクされるとあって、もちろんひなたは大喜び。しかし、その裏には思わぬ因縁が渦巻いているようで……。

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第80話では、主人公・棗黍之丞と剣を交える小野寺左近役をオーディションで選ぶことが決定。「年齢・経験は問わない」というモモケンの言葉に大部屋俳優たちはチャンスを掴むべく躍起になるが、オリジナル版で左近を演じた虚無蔵(松重豊)は渋い表情を浮かべていた。

 そして、今回の発表に納得がいっていない人物がもう一人。長年、黍之丞シリーズで茶屋娘のおゆみ役を務めてきたすみれ(安達祐実)だ。今は吹っ切れて映画村のショーで活躍している彼女だが、まだ映像の世界を諦めたわけではない。密かに映画出演を狙っていたが、リメイク版はひなたも参加したコンテストで見事優勝を果たした“ミス条映”の売り出しも兼ねており、女優役のオーディションは開催されないとのこと。自分の役回りを若手女優にとられて不機嫌になったすみれの愚痴を、何だかんだ気に入られているひなたは聞く羽目になった。しかし、そこでひなたは二代目モモケンの意外な思惑を知ることに。

 すみれによると、オリジナル版の映画は先代と二代目モモケンの親子共演で注目されていたという。だが、映画一筋だった父と時代を先読みしてテレビの世界に傾倒していた息子は決別。当てつけのように先代は息子が演じるはずだった左近役に当時一大部屋俳優だった虚無蔵を抜擢したが、映画は大失敗に終わる。

 世間では斬られ役から“条映の秘蔵っ子”に大出世したと思われていた虚無蔵だが、まさかそんな裏事情があったとは。結果的に初代モモケンは失意のうちに亡くなり、虚無蔵は大部屋俳優に逆戻り。一方、これを契機と言わんばかりに父の名を継いだ二代目は現在に至るまで華々しい道を辿ってきた。沈まない“太陽”の裏で“月”はひっそりと影を潜めてきたというわけか。

「今も虚無さんがいる条映であれを再映画化して、しかも左近の役をオーディションで選ぶなんて、虚無さんに対しての一世一代の嫌味じゃない!」

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