『ゴシップ』で考える“友達”の定義 ゲスト出演の茅島みずきが体現したカリスマ性

『ゴシップ』で考える“友達”の定義

 友達の定義は、人それぞれ異なる。連絡先を知っているだけで、友達と認識する人もいれば、深い相談ができる相手のみを友達だと言う人もいる。ちなみに、瀬古凛々子(黒木華)が愛用している辞書には、「互いに心を許し合って、対等に交わる人。一緒に勉強をしたり遊んだりしゃべったりする親しい人」と記されていた。

 一緒に授業を受けて、カフェで何時間も語り合って……学生時代は、お互いのすべてを知っている存在が、友達だと思っていた。しかし、社会に出ると友達のカタチは変わっていく。かつてのように、毎日顔を合わせるわけではない。それでも、どこかで心の支えになってくれるのが友達なのだろう。『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(フジテレビ系/以下『ゴシップ』)第5話を通して、改めて“友達”について考えさせられた。

 今回ゲスト出演したのは、『第100回全国高校サッカー選手権大会』の17代目応援マネージャーに就任した茅島みずき。7歳から始めたゴルフ経験を生かし、プロゴルファー・沢宮結奈役に挑んだ。2020年放送のドラマ『メンズ校』(テレビ東京)で、男子高校生たちのヒロイン的存在・鷹野エリカを演じていた時にも思ったが、茅島は謎めいた華やかさを持っている。本作でも、圧倒的なカリスマ性を持つ沢宮結奈を見事に演じきっていた。

 第5話、ようやく凛々子から白羽の矢が立ったのは、新人編集部員の一本真琴(石井杏奈)だ。常にやる気がない彼女は、編集部では戦力外扱い。根津道春(溝端淳平)、椛谷静司(野間口徹)、下馬蹴人(野村周平)が、凛々子の影響で変わっていく姿をどこか冷めた目で見ていた。そんな時、結奈が心身の疲労により休養することを発表。凛々子に、結奈の友人であることがバレて、取材のアポを取るよう命じられてしまう。

 真琴にとって結奈は、“少年漫画の編集者になりたい”という夢を、笑わずに聞いてくれた優しい友達だった。「なんで笑うの? カッコイイじゃん!」と笑顔で認めてくれた結奈がいたから、真琴は夢に自信を持つことができたのではないだろうか。

 だが、そんな結奈は人知れず盗撮被害に悩んでいた。試合中に、性的な画像を撮影されてネットにアップされる。周囲は、「アスリートは、見られる商売だから」「そんな格好をしている方が悪い」と聞く耳を持たない。挙句の果てに、真琴にまで「“こんなこと”で負けてほしくない」と言われる始末。たとえ悪気はなかったとしても、休養に追い込まれるほど悩んでいた問題を、“こんなこと”で片付けられたくなかったはずだ。

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