黒木華×野村周平が語る、人気原作の実写映画版で演じる難しさ 「内面的な部分を何とか出せたら」
シリーズ累計発行部数680万部を超える大ヒットシリーズを実写映画化した『ビブリア古書堂の事件手帖』が11月1日に公開される。『幼な子われらに生まれ』の三島有紀子が監督を務めた本作は、鎌倉の片隅に佇むビブリア古書堂の店主・篠川栞子が、古書にまつわる数々の謎と秘密を解き明かしていくミステリーだ。
今回リアルサウンド映画部では、ビブリア古書堂の店主・篠川栞子を演じた黒木華と、栞子に魅せられてビブリア古書堂で働くことになる五浦大輔役の野村周平にインタビュー。今回が初共演となったW主演の2人に、お互いの印象や人気シリーズの実写版でそれぞれの役柄をどう演じようとしたかを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
黒木華「“行間”が繊細に描かれている気がした」
ーー様々なメディアミックス展開がされている『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズですが、作品に対してはどのような印象を抱いていましたか?
黒木華(以下、黒木):文学が関わったミステリーということで、本を読むのが好きな私としては栞子の気持ちも理解できましたし、純粋に面白い作品だと思いました。ただ、原作のビジュアルのイメージが強かったので、最初は自分がどこまで近づけられるのかすごく悩みました。
野村周平(以下、野村):原作に近づけるっていうのは難しかったですね。だったら俺はどれだけイケメンにしなきゃいけないんだって思いました(笑)。
黒木:(笑)。私も同じように心配になりました。でも、三島監督は見た目よりも物語の中身を重視されていたので、黒髮ストレートやメガネをかけるなど、そういった外見はもちろん近づけましたが、栞子の内面的な部分を何とか出せたらいいなと思っていました。
ーー野村さんが演じた大輔は活字恐怖症という設定ですが、野村さん自身も本を読むのが苦手だったそうですね。
野村:でも今回、三島監督に「原作を読んだほうがいいですか?」って聞いたんですよ。そしたら「読まなくていい。野村くんとしての大輔を演じてほしい。」と。まあ結果的に読めなかったんですけど(笑)。それで撮影が終わってビジュアルが解禁されたときに、「原作と違う」みたいな声があったんです。「原作が小説なのにビジュアルってどういうことだ?」と思ったら、ゴリゴリのマッチョな大輔が表紙に載っていて驚きました(笑)。
ーービジュアルがあること自体知らなかったんですね。
野村:全然知らなかったですね。逆に何も知らずに臨もうと思いました。もし知っていたら、体を鍛えたり短髪にして臨んでいたと思います。
黒木:私は今回の映画は“行間”が繊細に描かれている気がしたんです。監督自身が本をお好きですし、本によって生じる繋がりの中で過去と現代がリンクしていく感じや、本を読んでいるときに広がる想像力だったり、“行間”によって生み出されている。しかもそこがきちんとエンタメになっているのが見どころだと思います。
ーー三島監督の手腕も大きなポイントだったと。
野村:そうですね。割と等身大な感じでやらせてもらいました。三島監督が優しいお姉さんのようだったので(笑)。
黒木:三島監督がもう大輔のことが大好きすぎて(笑)。
野村:「大輔がかわいい」とは言うんですけど、僕のことは全然褒めてくれなくて(笑)。でも、三島監督はたまにすごく細かいところを気にしていましたね。基本的に「大輔はとにかくかわいく」みたいな感じだったんですけど、たまに「ここは歩幅をゆっくり、なめるように歩いて」とか、アフレコのときに「皆さんを物語に誘うように喋ってください」と言われたんです。だから、僕らがこだわるというよりかは、監督のこだわりを僕らが勉強させていただいているような感覚でした。