『その年、私たちは』キム・ダミ×チェ・ウシク 再共演の2人のケミストリーと物語に注目

キム・ダミ×チェ・ウシクの“ケミ”に注目

 12月6日よりNetflix独占配信が開始された『その年、私たちは』。

 高校時代、学校生活を追うドキュメンタリーに出演したクク・ヨンス(キム・ダミ)とチェ・ウン(チェ・ウシク)。10年後、29歳になった2人が再会し、過去を振り返りながら物語が進んでいく、という物語だ。本作の主演を務める2人は、以前も映画『The Witch/魔女』(2018年)で共演している。

 『The Witch/魔女』では、敵対する役柄を演じたダミとウシク。アクションシーンも多く、互いを突き飛ばしたり、罵り合う演技は本作の喧嘩シーンに生かされているのかもしれない。その後、ダミはドラマ『梨泰院クラス』(2020年)に、ウシクは映画『パラサイト』(2019年)など、それぞれ国内外で話題になった作品に出演。年々、演技力を増している2人が再共演を果たしたのが今作ということで、ファンの間では歓喜の声が挙がっている。

ドキュメンタリーのタイトルは『賢い学校生活』

 2人を撮影したドキュメンタリー、『賢い学校生活』のテーマは“成績の学年1位と最下位の生徒が、1カ月間一緒に学校生活を送ること”。

 学年1位はクク・ヨンスだ。常に授業を真面目に聞き、教師への質問も怠らない。しかし、書き取ったノートを同級生に見せてほしいと求められると、そのページを破ってしまうなど、他者とのコミュニケーションは不得意。自分のための努力と行動を大切にしている。チェ・ウンいわく“ソシオパス(反社会的人格者)”。

 一方、最下位のチェ・ウンはいつも眠そうにしている。口元は半開きだ。太陽の光が降り注ぐ木漏れ日の下で、本を読んだり物思いに耽る時間が好き。成績が低いのは、勉学よりも感性的な脳の持ち主だからかもしれない。クク・ヨンスいわく、“幼稚で情けない生命体”。一見相反する2人に見えるが、実は彼らには意外な共通点があった。

 それは読書が好きだということ。勉強家のヨンスはいつも図書館で本を借りているが、貸出ランキングはいつもウンに負けている。彼は、図書館の読書王だった。

 第1話で、『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ著)を読むウンに、「はやく返却しなさいよ」とヨンスがせっつく場面がある。同書は世界的ベストセラーとなった恋愛小説だが、この小説の冒頭で、ギリシャ哲学者のパルメニデースが全世界が2つの極に二分されていると見ていることについての記述があった。例えば、光ー闇、暖かさー寒さのように。これは、まるで対極に存在するヨンスとウンの今後について、示唆するような演出と取ることもできるだろう。

※以降、第4話までのネタバレを含みます

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