『二月の勝者』柳楽優弥×井上真央が向き合った過去の自分 ラストに向け受験は佳境に

『二月の勝者』柳楽優弥らが向き合った過去

 佐倉は、自信をなくした理衣沙に成功体験を与えたいと考える。合格可能圏内にある学校の過去問を解かせることにより「自分の力で」合格できる学校があることを分からせ、自信を取り戻すねらいだ。問題をすらすらと解く理衣沙の表情は楽し気で、採点を進める手も軽快。合格点に達していることが信じられない理衣沙に、頑張りが結果になっているのだと伝える佐倉。思うように成果が得られず苦しみ続けてきた理衣沙は、その言葉に思わず涙をこぼす。

 「勉強するのも試験を受けるのも親ではない、本人の意思」。黒木が大切にし続けていることだが、佐倉はこの言葉を受け、教師時代の経験を重ね合わせる。子どもたちに寄り添ってきたつもりだったが、失敗した、苦しめたこともあったと。

 黒木もまた、初めて自身の過去と胸のうちを明かした。ルトワックにいたころ、一つでも偏差値を上げ、難関校に送り出すのが使命だと思っていたこと。しかし、そうして無理に押し上げた生徒の一人が、合格後の授業についていけず不登校になり、一家がバラバラになったこと。自分は合格後の子どもの人生を想像できていなかった、良かれと思ってしたことが子供の人生をつぶした、と。教壇に立つのが怖くなったとも明かした。この経験が、冒頭で灰谷に語った「未熟さを知った」ということだろう。けれど「学びとはなんなのか」を知りたい。その思いで黒木は、桜花ゼミナールの生徒に、スターフィッシュの生徒に真っ向から向き合っている。

 新年。机に突っ伏したまま眠ってしまい、目覚めた黒木。ぼさぼさの髪のまま眩しそうに朝日を見つめる晴れ晴れとした顔にはようやく、塾長でもくろっきーでもない、黒木蔵人が見えた気がした。次週はいよいよ最終回。生徒たちは「二月の勝者」となれるのか。

■放送情報
『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:柳楽優弥、井上真央、加藤シゲアキ、池田鉄洋、瀧内公美、今井隆文、加治将樹、住田萌乃、岸部一徳ほか
原作:『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』高瀬志帆(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:成瀬活雄
音楽:小西康陽
主題歌: DISH//「沈丁花」(ソニー・ミュージックレコーズ)
テーマソング:NEWS 「未来へ」(Johnny’s Entertainment Record)
演出:鈴木勇馬ほか
プロデューサー:次屋尚、大塚英治(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/2gatsu/
公式Twitter:@2gatsu_ntv
公式Instagram:@2gatsu_ntv

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