『恋です!』ユキコ×森生のデートにキュン ハチ子役の生見愛瑠は演技の才能を開花

『恋です!』生見愛瑠が開花させた演技の才能

 本作で女優としての才能を開花させたのが、“めるる”こと生見愛瑠だ。ハチ子は、ハッピーオーラを放つ生見とは、正反対に位置するキャラクター。普段は見せない“意地悪”な表情には、「別人に見える」との声が多く上がっていた。口角を下げた不満げな顔や、気だるそうな立ち振る舞いなど、さまざまな役作りがあるのだと思うが、本稿では“声”に着目したい。

 序盤、ユキコにとってのヒール役を担っていた時は、声のトーンをだいぶ低めに下げていた。そして、第5話でユキコと打ち解けてからは、少し語尾を上げる喋り方に。バイト先の先輩・紺野(大友花恋)にひどい言葉をかけられて落ち込むユキコに、「そんなこと言うなんて、らしくないじゃん。あの時、ユキコさん言ってくれたよね。はっきり言ってくれて嬉しかったって。だから私、はっきり言おうって思えたんだよ?」と言ったシーンに着目すると、変化が如実にわかる。さらに中学時代の回想シーンでは、全く異なる雰囲気を醸し出していた。

 ドラマ初出演にして、初主演を務めた『おしゃれの答えがわからない』(日本テレビ)の時にも感じたが、生見は振り幅のある演技を得意とする女優である。『おしゃれの答えがわからない』は、「おしゃれアレルギー」(※おしゃれなものや可愛いものを見ると気持ち悪くなってしまうこと)を持つ地味な女子大生・茜(生見愛瑠)が、おしゃれに目覚めて変貌を遂げていくストーリーだった。茜の外見は大きく変化したのだが、根本に変身前の姿を感じる絶妙な芝居をしていたのが印象に残っている。ドラマ出演は2作目となる『恋です!』を通して、さらに飛躍することを期待したい。

 次週放送の『恋です!』第6話では、獅子王(鈴木伸之)とイズミ(奈緒)の関係にもスポットが当たりそうだ。そして、ユキコの同級生・空(田辺桃子)の「見えるやつなんて大嫌い!」という言葉の真意とは。急接近しそうなユキコと森生の恋路にも注目していきたい。

■放送情報
『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:杉咲花、杉野遥亮、鈴木伸之、奈緒、岸谷五朗、田辺桃子、細田佳央太、戸塚純貴、ファーストサマーウイカ、堀夏喜(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、生見愛瑠
原作:『ヤンキー君と白杖ガール』(うおやま/KADOKAWA)
脚本:松田裕子
演出:内田秀実、狩山俊輔
主題歌:「こたえあわせ」JUJU(ソニー・ミュージックレーベルズ)
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:森雅弘、小田玲奈、鈴木香織(AX-ON)
(c)日本テレビ

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