『恋です!』ユキコ×森生のデートにキュン ハチ子役の生見愛瑠は演技の才能を開花

『恋です!』生見愛瑠が開花させた演技の才能

「私が白杖なしで外を歩くのは、熱いコーヒーを素手で触れって言われてるのと同じことなんだ」

 『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系/以下『恋です!』)第5話。障がいを持っていることを「ズルい」と言い、白杖を奪おうとするハチ子(生見愛瑠)に、ユキコ(杉咲花)が語りかける。「私にとって、白杖は便利な道具なんだ」と。

 私たちは誰もが、自分にとって必要な道具を使って生活をしている。たとえば、料理をする時に包丁がなければ、手で切らなければならないし、箸やスプーンがなかったら、食事をとることも難しい。生活を豊かにするために、道具を使うのはいわば当たり前のことだ。弱視のユキコにとっては白杖がそのひとつ。「障がい者ですよ」とアピールするために持っているわけではなく、生きづらい世界を、生きやすくするための道具にすぎないのだ。

 ハチ子にとっての“生きるための道具”は、いつも首からぶら下げているヘッドホンだった。イジメに遭っていた時に、森生(杉野遥亮)が「今度つまんねえヤツに絡まれたら、聞こえねえフリしろ」と渡してくれた日から、“お守り”のような存在になっている。もしも、このヘッドホンが誰かに奪われてしまったら……。大切な道具を持っているからこそ、ユキコの言葉が胸に響いたのだろう。

 他者が決めた“普通”という枠にうまくハマれず、劣等感を感じてきたハチ子。そんな彼女にとって、唯一の支えだったのが、ヘッドホンであり、森生の存在だったのだ。だから、森生を奪おうとするユキコをライバル視して、傷つけてしまった。でも、ハチ子も気付いている。自分の生きづらさと、ユキコの存在とは関係がないことを。「ごめんなさい」と素直に謝るハチ子を見て、ユキコは「私、ハチ子ちゃんのこと嫌いじゃないかも。ストレートに言い合えた方が、お互い後腐れないしね」と微笑む。何でもハッキリ言ってしまうハチ子と、人の顔を読むのが難しいユキコ。案外、2人は名コンビになっていくのかもしれない。

 これで、ようやくハチ子との問題は解決だ。かなりの紆余曲折はあったが、ユキコと森生は交際をスタートさせることに。「好きなんだ(ユキコ)」「俺も大好きっす! ポテト最高っすよね(森生)」「そうじゃなくて、好き。黒川のことが(ユキコ)」「……これってドッキリ? もしかして、カメラがあるとか?(森生)」と言う2人の掛け合いは、なんとも愛らしくて。今後どんな困難が立ち向かっても、2人が手を離さなければ大丈夫。森生が抱える過去のトラウマも、一緒に乗り越えようとするユキコの姿を見て、そう再確認した。

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