杉野遥亮の真価はコメディで発揮される!? 過去主演作や『恋です!』から演技の魅力を分析
コメディ+キュンで無敵!? 『恋です!』ヤンキー・黒川森生にノックアウト
2021年10月期の水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』では、杉咲花とのW主演を果たしている杉野遥亮。これまでも何度かドラマ主演を担ってきた彼だが、これほどまでに注目度が高まっているタイミングでの登用は、初めてのことではないだろうか。
本作で杉野が演じるのは、ヤンキーの黒川森生。しかし、彼の悪行は「ケンカ」くらいのもので、少々言葉遣いが荒い以外にヤンキー要素は見当たらない。服装は派手だが目立って着崩されてはいないし、友人とも良好な関係を保っている。杉咲花演じるユキコと出会ってからの森生は、さらに品性や忠犬度が増している気がしてならない。弱視であるユキコに配慮し、まずは遠くから名前を呼びかけて、彼女の近くにやって来てから一礼し、「黒川っす!」と身分を明かす流れを見ていると、むしろ育ちの良さすら感じる。
このドラマでも随所に、杉野の持つ“コメディ力”を感じるが、それに“キュン要素”まで加わってしまったのだから心臓がもたない。彼のルックスの良さと高身長ぶりが余すところなく活かされた『恋です!』、杉野の真価はラブ+コメディ=ラブコメでこそ発揮されると再認識する作品だ。
そんな杉野の演技についてぜひ特筆しておきたいのは、第2話と第3話である。第2話では、ユキコと森生が一緒に映画館デートをする展開に。大好きなゾンビ映画のシリーズ1にだけ音声ガイドが付いていないことを嘆くユキコ。すっかり彼女に心を奪われている森生は、ユキコのために「僭越ながらこの黒川森生、音声ガイドをやらせていただきます!」と自らガイド役を買って出る。行きつけのカフェにユキコを呼び、プロジェクターで上映しながらリアルタイムで解説する森生。ホラーが苦手な森生が、メモを片手に懸命にガイドする様子にときめきを禁じ得ない。ユキコに仕える忠犬らしい従順さがあふれたシーンだ。健気さ、実直さまで感じられるのは、間違いなく杉野の表現力に起因している。
黙っていても漂ってくる品性、従順さに合わせ、“キュン要素”がダダ漏れになっているのが第3話だ。3話でフィーチャーされるのは、ユキコと森生の「身長差」。このふたりがキャスティングされた時点で、その身長差を活かした演出は確実にしてくれるだろうと確信していた。視聴者が求めるときめきを的確に表現してくれる制作陣には足を向けて寝られない。杉咲花の身長は153cm、対して杉野遥亮は185cmだ。その差、実に30cm以上……! お互いの口と耳が遠いことで、会話が聞き取りづらい瞬間があるとこぼすユキコ。「その身長差が少しでも縮まれば!」との思いで、真っ赤なハイヒールをユキコに贈る森生の可愛らしいことこの上ない。何度だって見返したくなるシーンだ。見逃し配信サービスにも頭が上がらない。
ルックスの良さに見え隠れする、杉野遥亮の“コメディ力”に本稿では焦点をあててきた。“キュン要素”まで加わってまさに、向かうところ敵なしなドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』は2021年11月現在、絶賛放送中。杉野のカッコ可愛さに心が耐えられるかどうか、毎週喜んで試されたい。
■放送情報
z日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:杉咲花、杉野遥亮、鈴木伸之、奈緒、岸谷五朗、田辺桃子、細田佳央太、戸塚純貴、ファーストサマーウイカ、堀夏喜(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、生見愛瑠
原作:『ヤンキー君と白杖ガール』(うおやま/KADOKAWA)
脚本:松田裕子
演出:内田秀実、狩山俊輔
主題歌:「こたえあわせ」JUJU(ソニー・ミュージックレーベルズ)
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:森雅弘、小田玲奈、鈴木香織(AX-ON)
(c)日本テレビ