『恋です!』が描くのは恋愛模様だけじゃない 杉咲花×奈緒による姉妹の“家族”の形

『恋です!』が描くのは恋愛模様だけじゃない

 大切だからこそ、ついついお節介を焼いてしまう。傷ついてほしくないから、先回りをして安全な道に誘導する。でも、そんな愛情は相手の成長を妨げることになりかねない。ならば、心配な気持ちはどこへ昇華すればいいのだろうか……。10月20日放送の『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系/以下『恋です!』)第3話では、母親代わりとしてユキコ(杉咲花)を支えてきた姉・イズミ(奈緒)の葛藤が描かれた。

 「そんなの無理」「危ない」「やめなさい」ーー。イズミは、弱視になったユキコのことをずっと守ってきた。これ以上、傷つくことがないように。安全に生きていけるようにと。だから、森生(杉野遥亮)のようなヤンキーと仲良くしているのが許せないのだろう。つい、「ちゃんと現実を見なさい。あんたは人とは違うんだから」と厳しい言葉をかけてしまう。旅行はもちろん、飲み会や合コンにも行かず、“ユキコファースト”で生きてきたイズミは、ユキコに「誰よりも私のことを腫れ物扱いしてるのは、お姉ちゃんだよ!」と泣かれた時、どんなことを思ったのだろう。愛ゆえのすれ違いなだけに、解決するのが難しい。しかし、だからといって、突き放すことができないのが“家族”なのである。

 森生と出会ったことで、ユキコの世界は確実に広がった。これまで、“想定内”の行動しかしてこなかった彼女に、“予想外”のワクワクを教えてくれる森生。「あと10センチくらい身長が高かったら、声が聞き取りやすいのに……」と言うユキコに、赤いハイヒールをプレゼントするのも、普通ならば考えつかないことだろう(その後、ヒールがある靴は歩きづらいことに気付き、「俺はなにしてんだ!」と猛省していた)。イズミは、そのハイヒールを見て「あいつ頭おかしいんじゃない? ただでさえ、ユキコが外歩くの大変なことくらい、一緒にいれば分かるよね?」と激怒していたが、ユキコは、「こんなお洒落な靴、初めて」と嬉しそう。きっと、森生のなかにある“優しさ”が胸に響いたのだろう。

 その一方、森生は職探しに奮闘していた。ライバル・獅子王(鈴木伸之)が、就職を決めた姿に刺激を受けたようだ。イズミから、「(無職は)論外」と言われたことも、理由のひとつかもしれない。だが、顔に傷のあるヤンキー・森生には、厳しい現実が待ち構えていた。バイトの面接を受けても、「その傷は、ちょっと……」「悪いけど、問題起こすような人必要ないんだ」と受け入れを拒否されてしまうのだ。

 外見や経歴を見て、“普通”ではないと判断されてしまう。それは、ユキコも同じだ。“普通”ではないからと、自由に好きな人を選ぶことさえも許されない。森生とユキコ、2人で作りあげた“普通”は、他者が介入することであっさりと崩される。しかし、他人を傷つけてしまうのが“言葉”なのだとしたら、救えるのもまた“言葉”なのだ。森生は、獅子王の祖母にかけられた一言をきっかけに、自信を取り戻す。「傷の一つや二つ、歳を取れば誰にでもあるわよ。全然気にならないわ」。



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる