DCもマルチバースへ バットマンも登場の『ザ・フラッシュ』予告編を解説
DC初の世界最大級のオンライン・コンベンション「DCファンドーム」。『THE BATMAN-ザ・バットマン-』や『ブラックアダム(原題)』など、期待のDC映画の初出し映像や最新予告編がお披露目となり、アメコミ映画好きにとっては至福の時間でした。
その中で僕が個人的にうなったのは、2022年11月4日全米公開予定の『ザ・フラッシュ(原題)』の予告編(というかティザー映像)。本作はDCが誇る超高速ヒーロー、フラッシュことバリー・アレンを描きます。主人公を演じるのはエズラ・ミラー。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『スーサイド・スクワッド』『ジャスティス・リーグ』に続き、ついに彼を主役にした映画です。
今回の映画は原作コミックにおける“フラッシュポイント”という名エピソードをベースにしていると言われています。バリー・アレンは幼少の頃、母親を謎の怪人に殺されています。一方フラッシュは超光速で走ることができるため時空を超えることができる。その力を使って過去に戻り、母親を救います。しかしそれにより歴史が変わり世界が変わってしまうのです。マーベルのドラマ『ロキ』を観ていた人なら「分岐イベント」が発生し、“助かってしまう母親”が「変異体」というわけです(笑)。こういうマーベル的な設定はDCにもあるのです。
“フラッシュポイント”の面白さは世界が変わってしまうことにあります。それも悪い方に変わってしまう。したがってバリーはもう一度世界を元に戻さなければなりません。今回、お披露目になった映像で、バリーがリビングにいる母親らしき人物に背後から近づくシーンがあります。やはり母を救うのでしょう。しかし衝撃だったのはバリーが2人いる、ということです。髪形を変えて、エズラ・ミラー演じるバリーがある屋敷を訪れるところからこの映像は始まるのですが、つまり時間を遡ったバリーが、“過去(ないし別次元)のバリー”と会うというわけですね。そしてこの屋敷は、明らかにブルース・ウェイン邸。つまりバリーは自分が変えてしまった世界を元に戻すため、“過去(ないし別次元)のバリー”とともにバットマンに協力を求めるというわけです。
しかし本来のバリーの世界でのバットマンはベン・アフレック版のバットマンですが、変わってしまった世界では違う。そのバットマンの後ろ姿のシルエットが映りますが、この耳の形。これはなんと『バットマン』『バットマン・リターンズ』に登場したバットマンです。