『かのきれ』中島健人に『花より男子』松本潤も ジャニーズ×ドSキャラの歴史を辿る

 毎回ドラマチックな展開でハラハラ、ドキドキが止まらなかった『彼女はキレイだった』。弱気で太っちょの冴えない少年だった宗介が、イケメン最恐毒舌エリートへと成長を遂げ、かつては優等生の美少女だった佐藤愛(小芝風花)が、無職、容姿に無頓着な残念な大人になるなど、真逆の立場で再会を果たした二人。宗介が職場でみせるドS、最恐な副編集長の顔とは対照的に、長年思いを寄せる愛に対しては、うっとりするほどの紳士的で甘々な姿。オン・オフでみせる真逆のギャップを、中島が滑らかに演じていたのが印象に残る。

 ドSキャラを演じるにあたっては笑顔を封印するケースも多く表現が限定されるが、姿勢や仕草、声の強弱、鋭い目つき、口角のわずかな動きを使って心境を表す、演技力が試される。辛辣な言葉を放ったり、冷酷な態度をとったりと、一見すると心ない人物にみえる。しかしヒール役とは違い、根底にあるまっすぐに相手を思う気持ちや、正義感、素直になれない一面と、表と裏のギャップがあればあるほど引きこまれる。

 特に2000年代以降、キャラクターの趣向を追求する文化が一般化した影響も手伝ってか、ドSキャラが定番化しつつある。ステージやバラエティ番組などではみせることのない表情も相まって、ジャニーズのアイドルが演じるドSキャラはやはりどれも魅力的でクセになる。

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