『ホワット・イフ…?』第1話はキャプテン・カーターが活躍 原作・過去作との共通点は?
『ホワット・イフ…?』はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)×ディズニープラスが贈る、配信ドラマシリーズ第4弾ですが、今までと大きく違うのはアニメであること、そして1話ずつのオムニバススタイルということです。
“ホワット・イフ”は「WHAT IF」=「もしも〜たら、れば」を意味します。つまり「もしもトランプ大統領がまた再選されていたら」「もしもコロナウイルスが流行せず、2020年にあの大会が開かれていれば」と仮定の話をする時に使う言葉です。しかし本作で語られる物語は、仮定の話ではなく、もう一つの現実、パラレルワールドとしてこの宇宙にちゃんと存在していると説明されます。先の例で言えば、僕らが今いる世界ではバイデン米大統領ですが、別次元にはトランプさんが大統領を続けている世界もある、ということです。
もともとマーベルはこのアイデアを使って、1977年から『WHAT IF』というコミックを出版していました。それまでのコミックで語られていたことと別のバージョンの世界が存在するという立て付けで、「もしもスパイダーマンのベンおじさんが生きていて、殺されたのはメイおばさんだったら」「もしもウルヴァリンがシールドのエージェントだったら?」「もしもキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースが第二次大戦中、行方不明にならなかったら?」「もしもロキがムジョルニアを手にしたら?」などが描かれます。今回のMCU版『ホワット・イフ…?』も同じ試みですが、このコミックのアニメ化ではなく、今までのMCU映画で描かれてきたことを“基準”として、それとは異なる展開となった“ホワット・イフ”な世界を描きます。
記念すべき第1話は「もしもキャプテン・カーターがファースト・アベンジャーだったら?」。MCU映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』『アイアン
マン』『アベンジャーズ』をモチーフにしています。
なんとこの世界では、
1.スティーブ・ロジャースではなくペギー・カーターが超人血清を受けスーパーソルジャーになる!
2.トニーの父ハワードが、すでにアイアンマンのスーツを完成させており、動力はなんとテッセラクト(四次元キューブ)。超人血清を打たれなかったスティーブ・ロジャースが装着して戦う。
3.『アベンジャーズ』の冒頭で描かれたように、テッセラクトによってニック・フューリーとホークアイの目の前で時空の門が開きます。映画ではここにロキが現れます。しかしここでは……?
もちろん、今までの映画を観ていた方が、それとどう違うのかがわかるので、まさに“ホワット・イフ”な驚きを楽しめるのですが、元ネタを知らなくても見入ってしまうアクションエンターテインメントに仕上がっています。要は「スティーブでなくペギーがキャプテン・アメリカだったら?」という設定の面白さにだけ頼っているのではなく、1つの独立した物語として見応えがあるのです。