『ホワット・イフ…?』第1話はキャプテン・カーターが活躍 原作・過去作との共通点は?

 今回のキャプテン・カーターはこのまま実写化してほしいぐらいかっこいい。スーパーソルジャーになってもカーターは元々英国軍だから、キャプテン・アメリカとは名乗らず、キャプテン・カーターというヒーロー名。盾もコスチュームも星条旗ではなく英国の旗、つまりユニオンジャックです(これはコミックにおける、キャプテン・ブリテンという英国版キャプテン・アメリカのイメージを踏襲しています)。スティーブが装着するハワード製のアイアンスーツはアイアンマン マークⅠやアイアンモンガーを彷彿させ、武骨だけどCOOL。この2人のコンビが素晴らしい。実写に負けないミリタリーアクションです。

 アニメではありますが、例えば今までの子供向けヒーローアニメとはテイストが違います。もっとアーティスティックというか、昔のディズニーのクラシックアニメに近い感じです(個人的に1940年代の名作、フライシャー・スタジオの『スーパーマン』のアニメを思い出しました)。しかも主要キャストの一部は映画と同じ俳優が声を当てています。

 本作のペギー・カーターの声は実写版のカーター役ヘイリー・アトウェルだし、バッキ―も出てきますが、ちゃんとセバスチャン・スタンが演じています。この辺も映画とのつながりが感じられて、本シリーズがMCUの重要なパーツとなることが実感できました。正直、アニメで大丈夫? と当初は思っていたのですが、第1話の面白さに安心かつ今までのMCU(つまり実写のMCU)と同じぐらいワクワクしました。

 このシリーズには、ウォッチャーという狂言回しが登場します。声を担当するのはジェフリー・ライト。『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)のタモリさん的役割ですが(笑)、このキャラは1963年に『ファンタスティック・フォー』のコミックでデビューし、コミック版『WHAT IF』でも語り部でした。ウォッチャーとは種族の名前で、この『ホワット・イフ…?』のウォッチャーの名はウアトゥ(Uatu)と言います。本人も語っている通り、宇宙で起こることを見守り続ける、という神がかかった存在(実はMCU映画にはもう登場して『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』でスタン・リー氏と絡んでいます)。

 この後予定されているエピソードでは、「マーベルヒーローたちがゾンビになった世界」「ティ・チャラがヨンドゥに拉致され宇宙で活躍する世界」「全く別メンバーでのアベンジャーズが登場する世界」などユニークな世界が用意されているようです。ウォッチャーの導きで、次はどんな世界に連れていってくれるのか、楽しみです。

■配信情報
『ホワット・イフ…?』
ディズニープラスにて、毎週水曜16:00〜独占配信中
(c)2021 Marvel

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