石井杏奈がドラマに“引っ張りだこ” 『シェフは名探偵』でコメディエンヌの才を発揮

石井杏奈がドラマに“引っ張りだこ”

 西島秀俊主演ドラマ『シェフは名探偵』(テレビ東京系)は月曜日の夜にホッと一息つけるような作品だ。グルメな人たちがこぞって訪れる噂のビストロ「ビストロ・パ・マル」を舞台に、西島演じるシェフ・三舟忍が人並み外れた洞察力で、客たちが巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎を鮮やかに、お節介に解いていくグルメミステリー。毎話2つの問題が起きその解決までが描かれるフルコースぶりだ。

 第3話では、三舟が料理に隠された男の嫉妬や恋心を見抜き、2組の男女の関係を前に進めた。足繁く通いブイヤベースばかり頼む客・新城(映美くらら)の正体は、三舟の味を盗もうとする同業者で、彼女にプロポーズしたオーナーとの三角関係が勃発したり。夫婦喧嘩中のシェフの志村(神尾佑)と妻・麻美(シルビア・グラブ)については、2人の思い出である“ガレット・デ・ロワ”の消えたフェーブル事件の真相を解き明かし仲直りするきっかけを与えたりと、今回も鋭く優しい推理力が炸裂した。

 本作にソムリエ・金子ゆき役として登場するのが石井杏奈だ。個性の強いビストロメンバーの中で紅一点、全く引けを取らないのがすごい。時折、突然閃いた俳句を披露するシーンやギャルソンの高築(濱田岳)との掛け合いが面白く、本作ではコメディエンヌとしての才まで遺憾なく発揮している。

 石井といえば、昨年までE-girlsのパフォーマーとして活動していたが、女優としても今まさに“引っ張りだこ”状態にある。『ゆるキャン△2』(テレビ東京系)では作品全体を通して流れるまったり感の中にあって蠱惑的な魅力を発揮しキーパーソン役を演じた。濱田岳と共演を果たした『ガールガンレディ』(MBS/TBS)では一転、ツンデレな生徒会長役でなんともクールな役どころを好演した。上から目線でつっけんどんな物言いもさまになるからお見事だ。

 彼女は作品内で物語の鍵を握る“重要人物”を演じることが圧倒的に多い。あの一見したところ何を考えているのか読めないポーカーフェイスな表情と、キャラクターに宿る“温度感”を瞬時に変えられる“内に溜め込む力”と“放出する力”の絶妙なバランスゆえではないかと思われる。

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